セイコー・アルピニストSARB017に似合うストラップを探す旅へ・・・


美くもお手頃価格で持つものを幸せにしてくれる腕時計、セイコー・アルピニストSARB017(個人の感想です)。しかし、この緑のタイムピースを手に入れた瞬間から、あなたは旅へと誘われると言っても過言では無い。それは、アルピニストにお似合いのストラップ、そしてブレスレットを捜す旅だ。(ブレスレットの旅はまた別の機会に!)


まだセイコー・アルピニストをお持ちで無い方へ




Amazonでは来年1月発売の次世代アルピニストSBDC091(左)、SBDC089(中)、SBDC087(右)がもう予約可能になっているが、価格は8万円台。更には「最もアルピニストらしい美しさ」を持つ緑文字盤モデルは予約も終了してしまった。



しかし悲しむことなかれ、昨年製造終了となったはずのSARB017(上リンク)は多少値上がりしてきているものの、それでも次世代アルピニスト予約価格と比べればまだ半額で販売されている。その時計部の美しさや次期モデルの話を詳しく紹介した先日のレビュー記事もお読み戴ければ嬉しい。

しかし、SARB017には欠点が一つある。付属のレザーストラップがいかんのですよ。そんなわけでSARB017にピッタリのストラップやブレスレットを捜す旅が始まった!


アルピニストのストラップ幅は20mm



こちらがセイコー・アルピニストSARB017に最初から付いているストラップ。ストラップ幅は20mmなので幅が「20mm」と記してあるストラップを購入すれば取り付けることが可能だ。今回の記事ではSARB017用に購入した一部のVARIOのストラップを除けばすでに手持ちのストラップや腕時計を取り付けてみている。なのでもし既に複数の腕時計をお持ちの方は、ストラップ幅がアルピニストに合うかどうか試してみても良いだろう。(一応次世代アルピニストも20mmとのことなので、20mmストラップを買っておけばどちらにも流用できるはずだ。)


なお、セイコー・アルピニストに最初から付いているストラップのスプリングバー(時計部にストラップを取り付けるためのバネ部品)は20mmのものだが、キッチリはまっていて、工具を使っても外すのが難しかった。なのでそれ以降レザーストラップにせよメタルブレスレットにせよNATOにせよ、手持ちの18mmや19mmという少々小さめのスプリングバーを入れて使っている。



(こういうスプリングバーだけ色々入ったセットを持っているのだ。ヴィンテージ腕時計を買うとスプリングバーが錆びていて折らないと外せないことなどがあるので、沢山時計を持っているひとには何かと便利)

小さめなスプリングバーを使うと、ラグの穴に入る部分の耐久性が弱くなるのではないかと少し心配もあるが、しょっちゅう付け替えて色々試したいという時にはこのほうが付け外ししやすいだろう。

また、頻繁にストラップを付け替えていろいろな表情を楽しみたいという方は、ストラップ購入時に「クイックリリース式スプリングバー」の付いたストラップを買うと、付け替えの際に工具が入らなくて便利だ。



そうは言ってもアルピニストに最初から付いているストラップを外すには工具があったほうが良いだろう。その場合には、上のようなストラップ付け替えツールの付属するストラップを購入するのも良いし、時計いじりにも少し興味があるのであれば下のような工具一式買いそろえてみても良いかもしれない。



また、レザーストラップを使うという方は、通常のバックルピンをストラップ穴に差し込む方式から、Dバックルへと付け替えることでより長くストラップを使うことができる。また、毎回ストラップ穴を探す手間も省けるし、脱着時に時計を落としにくくなるという利点もある。




ストラップの旅


と言うことで柄にも無く旅をテーマに、ストラップの製造国・ブランドの国別にストラップを紹介していこう。これらのストラップのほとんどは腕時計ブランドのものであるが、大抵の腕時計ブランドはストラップのみの販売も行っている。

別にどんなのを替えとか言うのでは無く、どのようなテクスチャーや色合いのものかを沢山紹介するので、「ああ、こういう色合い、色の組み合わせがアルピニストにピッタリだ」というように、皆様がお気に入りのスタイルを見つける助けになればと思う。

イタリア・シンガポール - VARIO



シンガポールの時計ストラップブランド、VARIOのイタリア製ストラップ。こちらは青色のもので、表面のシボというテクスチャが独特(これはレザーを収縮することで出てくるもので、このような仕上げのものをシュリンクレザーとも呼ぶ)。クイックリリース式スプリングバー。


Hodinkee限定版の青ダイヤルだったらもっと合いそう。


同じくVARIOのイタリア製レザー、ブラウン色のもの。


これもやはりシュリンクレザーとなっている。(なおVARIO社のストラップはこちらで、更に同社の作る腕時計はこちらでレビューしている)


ドイツ・オランダ - Belcori



こちらはオランダのファッションブランド、Belcoriの明るめの茶色レザーストラップをつけたところ。表面テクスチャーは細かいヌバック、色はオレンジが強いかな。


レザーストラップを作るのはドイツの家族経営の会社Di-Modell。レザー自体はドイツのEcopellというなめし会社が環境に優しい植物なめししたもの。表側からは見えないが、特徴的な「Di-Modellループ・アンカー」機構を持つ。詳しい説明は当ブログのこちらの記事でどうぞ。


中国 - Shenhua



これは中国のちょっと怪しめなブランドShenhuaというところの腕時計に付いていたレザーストラップ。腕時計自体は今度レビュー予定。


クロコダイルの竹斑が型押しされているため、アルピニストに付いてくるストラップに似ている。アルピニスト付属のものは少し気持ち悪いブラウン色だが、こちらはより一般的(?)にブラウンと言われて想像するような赤みがかった色。



本物のクロコダイルやアリゲーターのレザーストラップは付け心地が良いが(例えば以前レビューしたVan Braugeに付いてくるものはアリゲーターストラップ)、いかんせん値段が高く、上のリンクのように数万円する。Van Braugeも5万1000円ほどで20mmのアリゲーターストラップを作っているので(しかも付け根は特注の湾曲型でなおかつクイックリリース式のもの、アルピニストと合いそうなグリーンのものもある)お金に余裕のある方はそういうのも良いかもしれない。


フィンランド - AARNI



フィンランドのAARNIによる、焦げ茶色のヘラジカ革のストラップ。AARNIの使用するヘラジカ革は、フィンランド北部で頭数制限のために狩られたヘラジカから取られたものを使用しているため、レザー用に育てられた動物の皮と違いエシカルであるあることもポイントだ。


(この写真ではほぼ黒に見えるかもしれないが、濃いチョコレート色のような焦げ茶だ。)ヘラジカ革は、耐久性が高く、柔らかい。また、様々な気候状態や湿度に対する耐性も他のレザーよりも高いため、ヨットの舵輪などに用いられるという。


香港 - UNDONE



香港UNDONE(日本でもUNDONEジャパンとして製品展開している)のレーシングスタイルのストラップ。


ヌバック地のレザーにパンチングが施されており、通気性も良い。


香港 - EONIQ



黒いゴツめのバックル付き、香港EONIQ社のストラップ。こちらもヌバックだが先のものよりも起毛する感じ。


同じ明るい茶色系レザーでもテクスチャーや仕上げが違うと雰囲気が変わる。


こちらもEONIQ社のものだが、表面は艶があり、濃い赤茶色。



スコットランド・シンガポール - VARIO



VARIOのハリス・ツイードでできたストラップ。水をはじくと共に耐久性に優れるツイード素材の中でも、最高級とされるのがこのハリス・ツイード。

スコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島で作られ、Harris Tweed Authorityにより認められたもののみがその名を冠すことが許されるものだ。こちらもVARIOの腕時計レビュー記事で詳しく紹介している。


スペイン・エストニア



こちらはエストニアの腕時計ブランドAEGAONの白色レザーストラップ。


ストラップはスペイン産で、汚れが目立ちやすい白色ながらも、油などの汚れがなるべく付きにくいものになっているとのこと。



NATOストラップ



インスタグラムなどでセイコー・アルピニストの画像を探すとレザーストラップとメタルブレスレットの他によく見かけるのがNATOスタイルのストラップだ。

NATOスタイルのものは、ストラップがとても長くなっている。ジャケットの上などからも腕時計を着用できるようになっているのが特徴だが、通常使用時には長く余ることがある。そんなときにストラップループに普通に折り返して入れても、何かの拍子にベロンと余ったストラップがでてきてしまうこともある。


そうならないようにするためには、ストラップループ部分で折り返すときに外向きでは無く、写真のように内向きに折り返すと(多少入れるときに手間は掛かるものの)外れづらくなるので便利だ。


シンガポール - BOLDR




カーキ色のBOLDRのNATO。


シンガポール - VARIO



VARIOのプリントNATO、ゴールデン・サーペント柄。


柄が日本でいうところの青海波であるのと、金色の波が似合う。


こちらも同じくVARIOから、ボンド柄のNATO。


このボンド柄のものはNATOスタイルであるが、これはパススルー式である(シングルパス式とも。通常のNATOスタイルは腕時計の裏に生地が二枚重なるのだが、これは重ならない)ため通常のNATOよりも薄い。


ナイロンの7倍の強度を持つというコーデュラ素材を使ったVARIOのパススルー式NATO。


ストラップホール部分は金具で補強されているためかなりしっかりした感じ。



フィンランド - 手作り



こちらはフィンランドの友達が作ってくれたレザーNATO。


レザーを切って、金具を付けて、ストラップホールを開ければいいわけなので、腕に覚えがある人なら簡単に作れるはずだ。








まとめ



なんだかんだでストラップメーカーでもあるVARIOの製品を多く取り上げることになってしまったが、今回挙げてきた中で、現在一番気に入っているのはVARIOのブラウンレザー。


とは言ってもずっとこれだけ付けているというわけでは無く、時折別のストラップへと付け替えながら日々アルピニストを楽しんでいる。それに、VARIOのブラウンストラップも少し赤みが強すぎる気もするのでも、今後もまだ色々とストラップ漁りを続けることだろう。


もう既にアルピニストをお持ちの方も、まだの方も(まだお持ちで無い方はここまでご覧になってやっぱり欲しくなってきたかもしれないので再度Amazonoのリンクを張っておこう)、お気に入りのアルピニスト・スタイルを見つけて、この美しい時計にいろいろなストラップをつけて末永く楽しんで戴ければ幸いである。




(abcxyz)

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