男女ともに楽しめるアール・デコのスタイルとユニークなストラップの自動巻き腕時計VARIO「Empire Art Deco」


Sponsored by VARIO

シンガポールのマイクロブランドVARIOが、30年代を彷彿とさせるアール・デコ調スタイルの腕時計をローンチした。そのスタイルのみならず、38mmという男女問わず楽しめるケース径と、ハリス・ツイードやイタリアン・レザーという質の高いストラップも魅力の腕時計となっている。

なお記事の最後には10月末まで有効な割引クーポンも戴いて居るので気になる方はこの機会をお見逃し無く。



VARIO


自分の求める個性を持った腕時計ストラップがどこにも存在しなかった、というところがきっかけとなり、IvanとJudyの手によってVARIOは2016年シンガポールに生まれた。創業当初から夫婦二人三脚でブランドを切り盛りしている。

元々腕時計用のストラップから始まったブランドということもあり、主にNATOストラップを中心に様々なタイプのストラップを展開している。Kickstarterをはじめとするクラウドファンディングプラットフォームで計4回のキャンペーンを成功させている。

しばらく以前にはシンプルで美しい腕時計、「Eclipse」の販売を開始。これには、Seiko TMI VH31という個性的なムーブメントを用いたバージョン(このムーブメントはクオーツでありながら一秒間に4回針を動かす「スウィープセコンド」を特徴とする)と、古風な手巻きムーブメントMiyota 6T33を用いたバージョンが存在する。

今回レビューするのはそれに引き続くVARIOのセカンドコレクション、「Empire Art Deco」からのもの。


Empire Art Deco




Empire Art Decoコレクションは、その名が示すようにアールデコにインスパイアされたコレクション。アールデコの黄金期とも言える1930年代をモチーフにしたデザインが目玉だ。

なおVARIOは1年の国際保証に加えて、見た目品質に満足がいかない場合は未使用・未着用に限って14日以内の返却で返金もしくは交換に応じるとしている。これはクオリティーに対する自信の表れとも言えるだろう。


ケース



ケース径は38mmと小ぶりであるのはやはりレトロ感を感じさせる大きなポイントだ。時計のケース径に関してはこのブログで書いているが、このスタイル、この径であれば男女関係なく楽しめるのも良いところ。


ケース厚は11.5mm。ケース横から見ると、ケースが二段階にカーブしているのがわかる。そのため、全体的に丸みが強調される感じがある。これはEmpire Art Decoを斜めから見るとより顕著で、38mmよりもさらに小ぶりな印象を与えている。


風防は内側に反射防止コーティングの施されたクリスタルサファイア製。クラシカルな見た目ながらも傷の付きづらいサファイアクリスタルを採用しているのは嬉しいところだ。


ラグ部分は一段目のカーブの上に覆い被さるような意匠となっているのも面白い。


こちらは同部分を少し上から見たもの。これもアールデコを意識した意匠と言える。


竜頭はクラシカルなオニオン状で、頭頂にぽっちが付いたものとなっている。竜頭の左右横の面は高くなったいるため、腕時計を手首に装着させた状態では竜頭が引き出し辛いが、そもそも腕時計の時刻合わせは腕時計を外して行うもの(竜頭の軸である巻き芯に斜めに力がかかってしまうため壊れる可能性がある)。竜頭の上下(風防側と裏蓋側)にあたるケース部は、ケース中央方向に向かって傾斜しているのでちゃんとつまみやすくなっている。

使用するムーブメントはSeiko SIIのNH38A。このNH3Xシリーズのムーブメントは手頃な価格帯の自動巻き腕時計によく採用されており、それだけ普及し、同時に信頼されているムーブメントとも言えるだろう。その中でもよく用いられるのはNH35Aだが、これは日付機能もついていおり、そのため時刻合わせの際には竜頭を二段引き出さないといけない。しかし日付機能がついている割にムーブメント事態の価格は安かったりもすることもあり、中途半端なブランドであれば文字盤に日付窓を設けずにNH35を採用し、そのために着用者は意味もなく竜頭を二段階引っ張って時刻の調整を行わないとならないという不合理なことになる。だがVARIOのEmpire Art Decoでは日付窓を持たないデザインに合わせてきちんとNH38Aを選んでいるので、そのような無駄はない。加えて、特に目立った性能差は確認されていないようではあるが、NH38AはNH35Aよりも新しく作り出されたムーブメントでもある。


裏蓋はねじ込み式。左右対称のエンパイア・ステート・ビルディングを彷彿とさせる裏蓋装飾が美しい。


人によっては「自動巻きムーブメントなんだったら中の見えるエキシビジョンバックにすればいいのに」と思われる方もいるかもしれないが、一つにはこの腕時計が彷彿とさせる時代にはそのようなものはなかったという点で、もう一つには、NH38Aは特に中を見せるために作られたムーブメントではないと言う点で(更に加えるならばそうすることで価格が向上してしまうという点でも)、この装飾のみが施された裏蓋はこの腕時計にとってより良い選択だと言える。

防水性能は5ATMと、日常使いには十二分だ。


文字盤



文字盤は立体感のある2層構造となっている。文字盤中心部は美しいギョーシェが施された層。中心に近づけば近づくほど細かく、ルーペで見て初めて細部が堪能できるほど。


この層の12時方向にはVARIOのロゴが立体型押しの上にプリントされている。


インデックスがあるのはその上に位置する層。この層は円周状にヘアライン仕上げがなされており、アール・デコ調のポスターなどで見られる車や電車などの金属質感の表現を彷彿とさせる。各時インデックスはまさにアールデコ調のフォントで記されていてレトロ感を演出している。その外周には細い溝があり、溝を隔てて外側に分刻みのドットインデックスが配されている。


時分秒針は熱加工により青くしたものが用いられている。時分針はどちらも中抜きが施されており、細かな文字盤のギョーシェを存分に楽しめる。時針の方はパドルスタイルやモダンスタイルなどと呼ばれる中央部が太く、根元先端が細くなったもの。分針の方は根元近くから太まり、先端に近づくにつれて細くなってゆくアロー針となっている。秒針はまるでノブ付きのステッキのような形で、長い秒針のバランスをとるようにカウンターバランスとなった後部が中心よりも遠くへと突き出し、丸く終わっている。



Image courtesy of Vario

今回レビューする白文字版に黒インデックス、青針の「White Dial」以外のカラーバリエーションもなかなか魅力的で、シルバーの文字盤とインデックスにブルー針のもの「Silver Dial」、ガンメタルの文字盤に針とインデックスがシルバーの「Gunmetal Tuxedo」。そして文字盤の二層がブラックとホワイトのツートンカラーの組み合わせ違いが二種、中央部が白で時インデックス背景部が黒の「White Tuxedo Dial」、中央部が黒で時インデックス背景部が白の「Black Tuxedo Dial」が存在する。


ストラップ


やはりもともとストラップ作りから始まった会社だけあって、ストラップも見物だ。

クラウドファンディングキャンペーンでは、ビンテージスタイルのイタリアンレザー、もしくはハリス・ツイードのものが選べるようになっているのだが、今回はレビュー用に両方送っていただけた。


まずはスコットランドで作られたハリス・ツイード製のストラップから。色は「Peacock」。ツイードはスーツなどで使われることで知られるように、水をはじくと共に耐久性に優れるとされる。


中でもこの「ハリス・ツイード」というのは、最高級のツイードとされており、スコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島で作られ、Harris Tweed Authorityにより認められたもののみがその名を冠すことが許されるもの。


手首に触れる裏面は触れ心地の良いヌバック。なのでツイードの見た目は好きだが、肌に直接あたるとチクチクして好きじゃないと言う方(実は私もそうだ)も問題なく、チクチク感を感じることなしに着用できる。


裏面一方にはHarris Tweed Authority認証の証であるオーブのマーキングと「Harris Tweed」の刻印がなされ、もう一方には「VARIO」のロゴ刻印がなされている。


ぱっと見緑色であるが、よく見てみれば様々な色が絡み合っているのが面白さだ。縫い合わせは表面はツイード色とマッチする色合いで、裏面は裏のヌバックにあったクリーム色の糸が使用されている。


ストラップはバースプリング式となっているため、外すにはストラップ外し用工具(もしくはゼムクリップ)を要する。クイックリリース式を好む人もいるだろうが、クイックリリース式はその機構のために突出したつまみ部分がなくてはならず、時計部への付け根部分の強度が弱くなる。このストラップでは表面全面にツイードを使用しているため、強度の兼ね合いから従来型のバースプリング式ストラップを採用しているのだろう。スタイルをとるか、利便性をとるか、という取捨選択というわけだ。

ツイードの表材とヌバックの裏材の間に芯材が入った作り。そのため最初の数回の着用時にはストラップが固めだと感じることだろう。これに関してVARIOのIvan氏は購入直後であっても「ストラップを巻いた状態にしてゴムバンドを使って固定し、強制的にカーブができるようにすることで付け心地を改善できる」とアドバイスしている。


ストラップループ部分もツイードで作られていることもあって、一度ストラップをループに通すとツイード素材同士が触れ合うこととなる。ツイード同士が触れ合うと結構な摩擦が感じられ、ストラップループの耐久性は少し心配ではある。また、着脱がしづらいと感じられる方もおられるだろうが、摩擦のおかげで一度つけてしまえば、二つ目のストラップループが外れることはまずない。二つ目のストラップループは固定されていないので自由に動くことができるため、着用中に外れてしまいストラップ先が跳ね上がってしまいだらしない見た目になるなんてことも少なくなく、(特に見た目がユニークなストラップで)これがおきないのは利点だ。。


手首周り16~17cmの私には、一番小さい設定でちょうど良い~微妙に緩い感じ。ここはもう二つほど小さい側にもストラップホールが欲しいところだが、実はレビュー用に提供されているこのツイードストラップは古いバージョンであり、新しいバージョンはストラップが全体的に長いため、後述のレザーストラップと同じくらい小さい設定側にも穴が位置するとのこと。これは安心。


Image courtesy of Vario

ハリス・ツイードのストラップの色展開はご覧の通り。(色は左より、Lavender / Merlot / Pecan / Coal / Ash / Cobalt / Peacock)


そしてこちらはビンテージスタイルのイタリアンレザー、レビューモデルは「Navy」だ。ストラップ幅はラグ側が20mmで、バックル/ストラップホール側に行くにつれて16mmとわずかに先細っていくスタイル。こちらは簡単に着脱可能なクイックリリース式となっている。


仕立ては切り身仕立てだろうか、ストラップ穴から内面を見るとブルーの表材の下に裏材が覗く。芯材が入っていないこともあり、柔軟性が高い。そのため購入直後でも柔らかく手首の形になじむ。


着用時に見えることとなる表面は全面にシボ(レザー表面の皺状のテクスチャー)があるものが用いられており、その表情が楽しめる。


こちらも裏面はきめの細かいヌバックで、肌あたりがよい。裏面には一方に「VARIO」ロゴ、もう一方に「GENUINE ITALIAN LEATHER」の刻印(通常よく見るGENUINE LEATHERではなく、ITALIANと強調しているのは面白い)。レザーはイタリアのヴィチェンツァ県のものを使用。これは染みや擦り傷への耐性があるとのこと(stain and scratch resistant)。

スティッチにはレトロ感を出すためクリーム色の糸が用いられており、サイドは表材と同色でコバ塗りが施されている。


バックルは銀色で鏡面仕上げ、ここにも「VARIO」の刻印が。


個人的に気に入ったのは、これまで当ブログでレビューしてきた大多数のマイクロブランドの腕時計においてストラップホールが小さい側に余裕がないものばかりだった。私の手首径は日本人男性としては平均的な16~17cmの間であるが、通常のストラップでは一番狭い幅設定でギリギリちょうどいいか、こころなしか緩め(例えば先のプロトタイプ版ツイードのように)。一方このVARIOのレザーストラップでは、通常のものよりもより狭い方向に穴があるのだ。当初手元を見ずにいつもと同じ手首感覚でつけたところ、更に二つ狭い設定にすることができることがわかり驚いた。試しに一つ狭い設定にしてみたところ、これがぴったり。あくまでも私の手首径は平均サイズなので、より小さい手首の方も少なからずおられるはず。そんな日本の平均~平均より少し小さいサイズの腕時計愛好家にとってはこのストラップは喜ばしい。

穴が足りなければ穴を開けるという選択肢もあるにはあるが、腕に自信がない限りは難しいものだし、このようにもとから十分に穴があるのが一番だ。


Image courtesy of Vario

レザーストラップの色展開はご覧の通り。(左より、Black / Navy Blue / Grey / Maroon / Wine)


まとめ



男性でも女性でも楽しめる38mmの小さな時計部にアールデコ調のスタイルを取り入れた、おしゃれな腕時計「Empire Art Deco」。もっと別のカラーのEmpire Art Decoを見たいという方はVARIOの特設ページで様々な写真や他ブログによるレビューなどもご覧戴ける。


時計部の楽しさもさることながら、良質のユニークなストラップは更に時計の楽しさを広げてくれる。価格は348米ドル(記事執筆時のレートで約3万7000円)と、自動巻き腕時計にしては安価な部類。

また、手持ちの時計にVARIOのストラップを合わせてみたいという方はVARIOのウェブサイトから購入可能だ。ストラップは今回レビューした20mm幅のものだけでなく、18mmや22mmのものも扱っているし、Apple WatchやG-Shock用のアダプタ付きのものも売っているので「素敵なストラップだけどどうせ自分のApple Watch/G-Shockにはあわないんだろうな・・・」なんて思う前にVARIOを訪れるといいだろう。


Empire Art Decoを購入されたいという方は、VARIO公式ウェブサイトショップの「Empire Art Deco」ページからどうぞ。「Empire Art Deco」販売ページにはEmpire Art Decoとハリス・ツイードのコンビネーションは掲載されていないが、購入時にVARIOに通達するか彼らのカスタマーセンター「customer_service@vario.sg」へ連絡すれば標準のレザーストラップを好みのストラップに取り替えてくれる(VARIOの販売するハリス・ツイード以外のストラップにする事も可能だ)。VARIOショップでは25米ドル以上の購入では送料無料、25ドル以下であれば5ドルの送料がかかるようになっている。日本への発送はDHL Expressで行われるとのこと。

なお今回レビューするに当たって、当ブログ読者限定の割引コード「THXPALM12」を戴いている。Empire Art Decoだけで無く、VARIOの販売する全商品に使えるコードなので、記事冒頭にちらっと記したEclipse腕時計や、VARIOのストラップのみでも割引対象となる。チェックアウトの際に「Gift card or discount code」の欄にこのコードを入力するとEmpire Art Decoが12%割引になるので購入したいという方はお見逃し無きよう(丁度10月に消費税が上がったところだから消費税以上分の割引となるのは嬉しいところだ)。割引コードは10月末まで有効となっている。


Source: VARIO

(abcxyz)

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