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2016年の創業より独特の美学を持った腕時計を世に送り出しているスイスのCODE41。
同社腕時計としては7作目となる今作は「ANOMALY-T4」。ANOMALY-01から始まり、昨年のANOMALY EVOLUTIONへと続く「アノマリー」シリーズとしては4作目に当たる。
6月29日より予約が開始されたばかりのこの腕時計、同社腕時計独特の美学を保ちつつも様々な面で進化を遂げた本作をご紹介していこう。
CODE41に関しては以前もこのブログでご紹介したことがあるのでご存じの方もおられるかもしれないが、腕時計製造の「普通」を打ち砕きつつも質の高い腕時計を作り出そうという志を持ったスイスの新興ブランドだ。
CODE41の腕時計は製造の透明性がとても高く、自社独自の「生産国の完全なる透明性」を示す「TTO」(Total Transparency on Origin)ラベルも作り、製造元、製造コスト、運営コストや販売業者へのマージンまでもを公開している。
腕時計をデザインする際には腕時計コミュニティーの意見を取り入れ、「コミュニティーとともに室の高い腕時計を作り出す」という姿勢も彼らの特徴であり、時計ファン向けに同社の制作現場見学ツアーなども行っている。
ANOMALY-T4では、文字盤面から時計の心臓部が見れなくなったことを嘆くファンの声を受けて、ANOMALY-01に続きムーブメントが覗き見える文字盤構造に。最外周から中心へと段が下がる構造は、どこかしらローマのコロッセオをも彷彿とさせる。
文字盤デザインにはスケルトンも取り入れつつも、全体的な意匠にはこれまでのデザインを組み入れて、新規にデザインがなされている。例えば、サテン仕上げがなされた幅広のラグからストラップを挟み込むように艶のあるリング状の素材が配されているところなどは、CODE41のこれまでの腕時計で常に引き継がれてきた要素である。
テン輪、歯車、主ぜんまいなどが見える構造となっているが、見せ過ぎることはなく、ANOMALY EVOLUTIONにも通ずる同心円と起伏により構成された文字盤が魅力を生み出している。
その心臓部にあるのは高い信頼性と正確性で選ばれたSellita SW200-1。エキシビジョンバックを採用するため、時計裏面からも内部機構とその動きが楽しめる。
だがこの腕時計で何よりも斬新なのは、ケースの素材だ。
CODE41は当初より使用する取説の紙からストラップにまでリサイクル素材を取り入れてきているが、本作ではなんとリサイクルされたステンレススチールを100%使用。しかもただのステンレスではなくちゃんと316L、グレードは「医療用グレード」とされる4441。CODE41曰く「リサイクルスチールのベスト・オブ・ベスト」("crème de la crème of stainless steel")だ。
これはスイスの医療業界と時計業界より回収されたスティールを熱で溶かして鋳塊化したもの。素材がどこから来たものか明確となっているほか、この素材を更にXRF(蛍光X線)分析にかけて品質が保証されている。また、素材としてはCODE41の腕時計として長年愛用されたその後でも再度リサイクル可能である。
リサイクル素材の仕様により腕時計製造にかかるカーボンフットプリントは通常のステンレススチールを使用した際に比べ、わずか10分の1。単にリサイクルされたものを使用しているからここまでフットプリントが小さのではない。地産地消ならぬ、「地元循環」とでも呼べるだろうか、スイスを始めヨーロッパの半径250KM内で素材の回収からリサイクルまでが行われているために可能なことだ。
(参考までに、CalcMapsによれば東京を起点として半径250KMはこんな感じだ。)
製品のカラーバリエーションは6種。これにもファンの声が生かされており、12の選択肢の中から投票で決定されたものとなっている。(全カラーバリエーションは予約ページから確認できる。)
ANOMALY-T4の予約は6月29日より開始されているが、予約価格は「クリエイター・エディション」として後の一般販売価格よりも安くなっており、約1398スイスフラン(約20万円)となっている。CODE41によれば予約は7月21日に終了するとのこと。一般販売価格も、6000スイスフラン(約84万円)であるX41と比較すれば安くなるとのことだが,少しでもお手頃に手に入れたい方はこの機会を活用するとよいだろう。
image courtesy of CODE41
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