再始動したOllech & Wajs(オレヒ&ヴァイズ)のパイロットウォッチP-101レビュー


Sponsored by Ollech & Wajs

1956年創業のスイスのOllech & Wajs(オレヒ&ヴァイズ)。

創業より長年自ら腕時計を作り続けてきた創設者が高齢になり世代交代。昨年より新CEOの元で発表された同社のリブートコレクションとも言える新作腕時計の中から、パイロットウォッチP-101をお借りしレビューしよう。

Ollech & Wajsの詳しい歴史についてはこちらの記事をご参照あれ:

機械式腕時計一筋64年スイスOllech & Wajs(オレヒ&ヴァイズ) の歴史


もくじ

開封:外箱も雰囲気たっぷり
ケース:シンプル、堅実な実用美
文字盤:分針が目を惹く見やすい文字盤
ストラップ:しっかりしたイタリアンレザー
まとめ:バランス良いデザインが美しい、スイス・メイドのパイロットウォッチ


開封:外箱も雰囲気たっぷり


Ollech & Wajsのロゴが入った段ボール箱。 


裏面は同社の昔の広告と思われるプリントがあり歴史を感じさせる。少し文字が潰れている感じもレトロ感がある。


開けると出てくるのはロゴ入りの帆布の袋。


袋の中からはOllech & Wajsの腕時計の写真がプリントされた箱が。


箱の上部を上にスライドさせると…。


出てきたのはP-101。帆布のクッションと、保障カードもついてくる。

(ステッカーに埃が付いてしまったので美しい写真ではないが)風防保護用のステッカーには「SAPPHIRE CRYSTAL」とプリントがある。
 

ケース:シンプル、堅実な実用美


黒いベゼルと銀色のケースの構成。シンプルで頑丈な印象を与える。時計部左右端から伸びたラグは、Ollech & Wajsの過去のコレクションを彷彿とさせる。


ケース径は39.5mm、12mm厚、ラグからラグまでは49.5mm。


横から見るとラグ部はケースの中程から傾斜しており、上部は斜め方向にもカーブしているのが判る。しかしラグの傾斜は大きくないため、上から見るとラグが比較的平らに見えるのも特徴だ。また、この写真からはラグ穴が貫通しているのも判るだろう。

この方向から見るとラグの斜め方向への傾斜がよくわかるほか、ドーム状のサファイアクリスタル製風防がベゼルから突出しているのも見て取れる。風防には反射防止コーティングも施されている。


12時間ベゼルはコインエッジで、上部は外側に僅かに傾斜している。ベゼルにクリックはなく、適度な硬さを持ちスムーズに両方向に回転する。


12までのアラビア数字は文字盤のインデックスにあわせたパティナ蓄光風のクリーム色(蓄光では無い)。アラビア数字の間には白いバーインデックスが。これらのインデックスはベゼル上の彫り込みにインクを流し込んで記されているのでベゼルが擦れて消えることはないだろう。


このベゼルはセカンドタイムゾーンの時間を知るために使える。例えばフィンランドと日本の時差は現在7時間(日本が7時間早い)だから、12時位置にベゼルの「7」が来るようにする。

フィンランドでは現在11:18、日本時間を知るには現在時針がある位置のベゼルを見る。6と7の間にあるので、6:18もしくは18:18、日本がフィンランドより早いのは知っているので日本時間は18:18、というわけだ。


ねじ込み式の竜頭は堅めだが、直径6.1mmと大きめなので掴みやすい。竜頭天頂にはブランドロゴが刻印されている。


裏面はねじ込み式。12角形に盛り上がりがあり、ロゴ、「ZURICHI 1956」(チューリッヒ1956)、「WATER-RESISTANT 300M」(防水300M)、「PILOT」(パイロット)、「STAINLESS STEEL」(ステンレススチール)、「SWISS MADE」(スイス・メイド)の刻印。


ムーブメントはETAのワークホース「2824-2」をカスタムした「OW3」。38時間パワーリザーブ。

Ollech & Wajsが自社で一度全てのパーツを分解した後、地板部分に「OW」のロゴを彫り込み、オリジナルのロゴ入りローターが取り付けられる(もちろん裏蓋を開けない限りはそれを見ることは出来ないのだが!)。その後複数角度で精度の調整も行われる。3年の製造不良保障がつくのはその自信の表れだろう。


文字盤:分針が目を惹く見やすい文字盤


文字盤に奇抜さは無く、堅実な雰囲気が漂う。チャプターリングは無く、文字盤全体に時を表し識時性は高い。


各時にバーインデックス、各分に白い線。各時インデックス部分は「!」マークのように、長くクリーム色の部分の外側には、少し離れた位置に短く白い長方形がある。

12,3,6,9時部分はアプライドインデックスとなっており、銀色の縁取りの直方体の中にスーパールミノバ蓄光。


6時位置には日付窓。日付窓がこの位置にあるために文字盤全体、そして腕時計全体が左右対称の美しさを持つ。日付窓は銀色の縁取りが突出する。日付ディスクは黒色で、ベゼル色と共鳴する。(この写真では6時インデックスの左の灰色部分に文字盤成形不良が見られる。)


12時下にはロゴと「ZURICHI 1956」、3時横にはモデル名「P-101」、6時上には「AUTOMATIC」、「300 M」、6時下には「SWISS MADE」のプリント。灰色の文字盤をよく見るとザラつきのあるエッグシェル仕上げであることが判る。


文字盤には時分秒針の3針が存在する。時分針はバー状で、どちらも中部にスーパールミノバ蓄光が。分針は7つに分けられた蓄光部が特徴的。これで暗い中でも時針と間違えることはない。


秒針はアロー式で先端部分に蓄光。3針共に長さ方向にヘアライン仕上げがなされている。


蓄光部が光るとこんな感じ。各時インデックスにもベゼルインデックスにも蓄光材と同色のペイントが使われているのにそれらの部分が光らないのは勿体ない印象を受ける。


ストラップ:しっかりしたイタリアンレザー


20mm幅のレザーストラップは3mmと分厚い。イタリア製でハンドメイドだ。 


裏面はヌバックで僅かに起毛しており、Ollech & Wajsのロゴも刻印されている。

クイックリリース式ではないが、パイロット/ミリタリー・ウォッチであることを考えると当然だろう。クイックリリース式ストラップはスプリングバー周りのレザーが薄くなっておりそこからストラップが破れたりするのだ。その代わりにラグ穴が貫通しているので、ピンなどがあれば容易にストラップを交換することができる。


四角いバックルは力強さを感じる。


手首径16~17cmほどの筆者が着けるとこんな感じ。

なおP-101にはメタルブレス版も存在するが、現在メタルブレスを改良中とのこと。


まとめ:バランス良いデザインが美しい、スイス・メイドのパイロットウォッチ


1956年に生まれ、新CEOの元で再始動したOllech & Wajs。同社の過去の腕時計のデザイン要素も取り入れ、ヴィンテージ的な雰囲気も持ちながら、一つの腕時計として美しく構成されている。


個人的にはやはり腕時計ケース部のデザインが気に入った。特に横から見たときのシルエットが美しい。それにストラップを含め、全体的な色合いのバランスもまた良くとれている。

価格は956スイスフラン。日本円で約11万円。全世界送料無料、関税込みで、FedExで発送してくれる。


製造はスイス・ジュラ州。生粋のスイス・ウォッチ。少しレトロな味付けのミリタリーウォッチやダイバーズウォッチをお好みの方はOllech & Wajsのウェブサイトで生まれ変わった同社のコレクションを確認されるとよいだろう。


なお前回の記事にも記したが、今年末に新たにValjoux製ムーブメントに手を加え、500m防水対応のクロノグラフ腕時計を発表予定とのこと。今後のOllech & Wajsの展開からも目が離せない。



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