このサイズが欲しかった!スイスメイドのロレックス5500オマージュMathey-Tissot x AMWG限定コラボモデル


今回は歴史あるスイスの腕時計ブランドMathey-Tissotと、アジアの機械式腕時計グループAMWGとの特別コラボモデル「MT369 AMWG Exclusive」をお借りしてのレビューだ。

AMWGこと「Asia Mechanical Watches Group/亞洲機械錶協會」(あえて日本語で記せばアジア機械式腕時計協会といった感じだろうか)は、3000人以上のメンバーを持つクローズドなフェイスブックグループ。日々メンバー達が自分のお気に入りの腕時計の写真を投稿したり、時計に関する会話に花を咲かせている。

さて、そんなAMWGが放つMethey-Tissotとのコラボ限定腕時計。「369」の名称からピンと来られた方もおられるかもしれないが、これは「3,6,9」のアラビア数字が文字盤にあるロレックス エクスプローラーI をオマージュしたモデルだ。しかもただのエクスプローラーIではなく、1950年代にロレックスが発売したケース径34mmのエクスプローラー Ref.5500をオマージュしたものとなっている(ちなみにBobswatchesによればこのエクスプローラー5500は、エアキング 5500のケースにエクスプローラーのダイヤルを入れたものなんだそうだ)。

なお、Chrono24で見てみると、エクスプローラー Ref.5500を現在買おうとすると100万~300万円ほどするという点も述べておこう。では、「MT369 AMWG Exclusive」気になる品質とお値段は…?

「レビューはあとで読むからとりあえず販売先を教えろ!」という方はAMWGオンラインストアへどうぞ。AMWGオンラインストア限定発売なので他で買うことはできないと言うことも覚えておきたい。


もくじ

Mathey-Tissot:1886年創立のスイスブランド
開封
ケース:この小ささが素敵。珍しいプゾーのムーブメントにも注目
文字盤:メルセデス針のようで実はMathey-Tissotのロゴ!
ブレスレット:19mmの細ブレス
まとめ:アジアの腕時計ファンとスイスブランドの奇跡のコラボ


Mathey-Tissot:1886年創立のスイスブランド


Mathey-Tissotの名をご存じというヴィンテージ腕時計愛好家の方もおられることだろう。

Mathey-Tissotは、Edmond Mathey-Tissot氏が1886年に創業した歴史あるスイスの時計会社だ。

ブランドの歴史が長いだけではなく、軍隊で使われてきた歴史もまた長く、古くは1890年のボーア戦争当時にも使われたようだ。第一次世界大戦の時には米陸軍工兵部隊が採用し、第二次世界大戦では米陸軍だけでなく英王立海軍も採用。

1914年にはキュー天文台でA級証明書が与えられている。これは例えばロレックスも与えられたものだ。

残念ながら現在のMathey-Tissotはムーブメントは作っていないものも、そのブランドの歴史を止めることなく今もスイスメイドの腕時計を作り続けている。

なおAMWG創設者のVincent氏はMathey-Tissotのブランドオウナーの友達と言うことから今回のコラボレーションが実現したそう。


開封

Mathey-Tissotの化粧箱ケース。ロゴはデボス加工にシルバーのプリント。

スライドさせると外箱が出てくる。

中から出てきたのがMT369。しっかりと保護フィルムで保護されている。


付属するのはAMWGの名称が格好よく書かれたステッカーと、「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が描かれた半透明なカード、そしてMathey-Tissotの保証書兼取扱説明書。

半透明カード格好いい…。

なお保証書兼取扱説明書によるとMathey-Tissotは世界120カ国以上でサービスが受けられるとのこと。保障期間は36ヶ月、つまり3年間となっており、この価格帯の一般的な腕時計ブランドより長めだ(この時計の価格は後述するが、例えばセイコーは1年、グランドセイコーで3年)。


ケース:この小ささが素敵。珍しいプゾーのムーブメントにも注目


一目見てその小ささが目を惹くケース径は、34.5mmとなっており、実は0.5mmエクスプローラー5500よりも大きい。厚みは11mmと薄い部類だ。


風防はドーム状のサファイアクリスタルで、反射防止コーティングがなされている。小ぶりのケースにふっくらとした風防の膨らみがよい感じ。

傷が付きづらいサファイアクリスタルを採用しているあたりは現代の時計らしい。反射防止コーティングも嬉しいところだ。


竜頭はコインエッジで、スクリューイン式。頭頂にはMathey-Tissotのロゴが刻印されている。


鏡面仕上げのベゼル、ヘアライン仕上げのラグとブレスレット。繊細で美しい印象を受ける。


ケース側面も鏡面仕上げとなっている。ラグ穴は貫通しているので付属のメタルブレスレットの取り外しが容易なのは嬉しい。


中央部はヘアライン仕上げ、側部はコインエッジの付いたスクリューイン式裏蓋にあるのは、「ASIA MECHANICAL WATCHES GROUP EXCLUSIVE」(AMWGエクスクルーシブ)の刻印のみ。アジアの機械式腕時計グループ独占のスイスメイドの腕時計、なかなか誇らしいものだ。

防水性能は5ATM。エクスプローラー5500は10ATMだったようなので、もう少し頑張って欲しかった気もしないではないが、タフなダイバーズウォッチでもないわけだし日常使いには十分な防水性能だろう。


裏蓋を開けるにはこのようなロレックス用とかオイスター用と書いてある裏蓋オープナーが必要。

使用するムーブメントはPeseux。日本語では「プゾー」という表記で知られる。聞き慣れない方もおられるかもしれないが、その理由の一つはETAに吸収されているから。それでも、手巻き式クロノメタームーブメントPeseux 260や、ETA吸収以前からPeseuxが作る極薄手巻き式ムーブメントであるPeseux 7001(今ではPeseux/ETA 7001やETA 7001という表記が一般的なようだ)が有名である。7001はノモス、オメガ、Baume & Mercier、ティソ、などなど様々な有名ブランドにも採用されているムーブメント。


この時計に採用されているのものはPeseux P224というムーブメントだ(小さく黒文字でプリントされているのがお判りだろうか)。P224では自動巻きとなっており、秒針は中央に、日付ディスクも搭載され、厚みは4.8mmとなっている。
28石、2万8800A/Hで、パワーリザーブは38時間。ローター音は大きめ。

Vincent氏によれば、このムーブメントはほぼMathey-Tissotブランドのものにしか使われておらず、他社が使用するのは難しいとのこと。


普段隠れていて見えないが、ローターの加工も美しい。ローターにもSWISS MADE(スイスメイド)と記してある。



文字盤:メルセデス針のようで実はMathey-Tissotのロゴ!

文字盤も全体的にエクスプローラー5500を彷彿とさせるが、インデックスの線の長さがこちらの方が長いためか、5500よりも各要素が少し中心に集まった感じとなっている。個人的にはこちらの方がバランスが取れているように見える。

外周に分刻みの白線(5分おきに僅かに太くなっている)、そして逆三角、3,6,9と長方形からなる各時インデックス。時針は、ロレックスのオマージュであるという知識を持って見ると一見メルセデス針に見えるかもしれない。

そう思ってしまった方はもう一度よく見てもらいたい…。そう、これはメルセデス針ではなく、Mathey-Tissotのロゴの形をした時針なのだ!芸が細かい!

分針は先がペンシル状に、付け根は細まる形状、秒針は中程に丸い蓄光部がある。


12時下には「Mathey-Tissot」と筆記体のプリント、その下に「Geneve」(ジュネーブ)と会社の位置するスイスの都市の名がプリントされている。6時下には「SWISS MADE」の文字。

ちなみに元々のエクスプローラー 5500は画面下部に「T < 25」と記してあった。これは蓄光がトリチウムであったことを示すもの。


ここではトリチウムの代わりにスーパールミノバC1が使われている。

一般的にスーパールミノバはC3が最も明るく、C1はさほどでもないとされる(Lucius Atelierの表を見ると良いだろう)。しかしそれでもC1を使用するのは、これは明るい時の色が白であることもあるだろう。もうひとつ、Vincent氏が語ってくれたのは、「あまり明るくあるべきでも、モダンであるべきでもない」、ヴィンテージ腕時計のオマージュなので蓄光性の高さを追求しないということからC1が選ばれたのだ。

見た目と性能の間でブレずにきちんとテーマを追求できているのは評価できる点だ。


ブレスレット:19mmの細ブレス


付属するのは横3コマのメタルブレスレット。幅は19mmと細い。


バックルの外側にはMathey-Tissotのロゴが刻印されている。


バックルは三つ折れのプッシュボタン式だ。


よく見ないと見落としてしまいそうだが、左右のコマの端は少し段差が設けられている。これも5500へのオマージュだろう。


ただ、エンドリンクの形状は5500とは異なるようだ。もちろんエンドリンクも各コマもソリッドなスチールとなっている。


コマは両側の小さなネジで固定されている。


ネジが小さいため、ドライバーは先端がかなり細くないとネジ穴に入らない。一般的な「精密ドライバーセット」に入っているものだと一番小さなマイナスドライバーは1.2mmだが、そのサイズでも無理で、私の持っている中で2番目に小さな1.0mmマイナスドライバーでは回すことができた。


普通の「精密ドライバーセット」ではなくて、こういうものを買おう。これは私の持っているものとほぼ同じセット。

なおネジを外してブレスレットサイズを調整したあとは、ネジ緩み止め用接着剤を付けた方が良いとのこと。


Vincent氏はこのような青いネジ緩み止め接着剤を勧めている。腕時計のネジに限らず、ネジの溝に青い塊が付着しているのを見たことがある方もおられるだろう。それが緩み止め接着剤が固まったものだ。

緩みを止めるためのものなので、ネジが完全に取れなくなることはなく、ゴムのような弾力を持ちネジが振動で落ちるのを防ぐものだ。なかでも上のロックタイトの製品などはよく知られたものである。

取り外し可能なコマは全て取り外すこととなったが、16~17cmほどの私の手首に丁度よくなった。

3箇所マイクロアジャストが付いているのでもっときつくしようと思えば可能である。そのため16cmほどの手首には丁度よいだろう。

19mmのレザーストラップなども買ってつけたら愉しい。


まとめ:アジアの腕時計ファンとスイスブランドの奇跡のコラボ

時計部が小さく邪魔にならず、なおかつシンプルな文字盤の可視性の高さも相まって実用性が高い。

ヴィンテージロレックスが好きだと言う方にも、大きな腕時計は合わないという方にもおすすめできる。また、AMWGのウェブサイトにもユニセックスと記されているとおり、性別を問わず楽しめる腕時計だ。


ムーブメントの希少性も機械式腕時計ファンには見所だ。珍しいムーブメントであるからこそ、3年という長めの保障も嬉しい。機械式腕時計ファンによるグループから生まれた腕時計ならではだろう。

またPeseux P224ムーブメントについてVincent氏は「数年したら他のブランドも使い出すだろう」とも語ってくれたので、一足先にP224を試したいという方にもお勧めしたい。

価格は339ドル、約3万7000円とスイスメイドでありながらお手頃なのは嬉しい。購入はAMWGオンラインストアで可能だ。


AMWGは腕時計コミュニティーとしても価格帯もブランドも様々な多様な腕時計写真(と飯テロ+腕時計写真)が日々シェアされていて楽しい。AMWGのページにはMathey-TissotのAlberto Frigerio Bonvicino CEOからAMWGメンバーに宛てたビデオメッセージや、他にもドイツの腕時計販売店からのメッセージなどもあったりと、(まあグループ独自の腕時計を作っちゃうわけだから当然とも言えるが)機械式腕時計愛好家のコミュニティーとしてなかなか成熟した感じがする。今回ご紹介したMathey-Tissotとのコラボモデルの他にもいろいろなコラボモデルを出しているので気になる方はフェイスブックの「Asia Mechanical Watches Group/亞洲機械錶協會」グループに参加してみるのもよいだろう。


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