ブルース・ウィリス出演映画で人気沸騰!米S&B Watchesの300m防水タクティカル・スポーツ・ウォッチSANS-13


Sponsored by S&B Watches

今回は最近ハリウッド映画でも注目を集めるアメリカS&B Watchesのタクティカル・スポーツ・ウォッチ、SANS-13をレビューしよう。

実用性を追求した武骨なアメリカンデザインに組み立てもアメリカでなされた、日々の過酷な業務・任務にも耐えうる腕時計だ。



S&B Watches - SANS-13


イリノア州中部で誕生したS&B Watches。同社は最近Kickstarterでダイバーズウォッチのキャンペーンを成功させており、そちらでご存じの方もおられるかもしれない。


実はSANS-13も元々はKickstarterで2013年に、203人の支援者より4万1000ドル(記事執筆時レートで約450万円)の資金調達を成功させ実現されたものであった。当時のスペックはスイス製のクオーツムーブメントRonda 6003.Dに、バイアル(小さなガラス瓶)に入れたスーパールミノバC3、サファイアクリスタル製風防、日付窓にはサイクロプスレンズ、200m防水。

S&B Watchesのブログによれば、この元祖SANS-13は約5000本製造販売されたそう。今回レビューするのはその改良版となる2019年版、SANS-13 Tactical Sport Watch (2.0)だ。


Image courtesy of S&B Watches

2019年版では、元祖の問題点でもあったバイアル入りのスーパールミノバ*をペイント・インジェクションへと変更。これで蓄光度はそのままに耐久性が増し、更に時計厚を初代の15mmから12mmへと下げることが可能になった。また、顧客からのフィードバックを受けて竜頭を巨大化、そしてサイクロプスレンズを取り除いた。以前はスクリューバーによりストラップが取り付けられていたのが、新版ではより一般的で、購入後にストラップの付け替えも可能なスプリングバー式に。使用ムーブメントはRonda製からETA製のより高品質なものに(TAG Heuerも使用するムーブメントだそう)、防水性能は200mから300mに向上。なかなかの進化を遂げている。

*(スーパールミノバの蓄光度を上げることが目的で、「トリチウム」蓄光が入っているようなバイアルに蓄光材が入れられていたが、瓶が破損する可能性があったのだ。だがバイアル入りのスーパールミノバというのは珍しく、ヴィジュアル面でもこの元祖は独特の魅力があった。)

更に興味深い点として、実は2019年版のSANS-13はムーブメントに自動巻きを選ぶことができるという点がある。基本モデルは前述の通りクオーツムーブメント採用するのだが、ムーブメントに自動巻きのETA 2829を採用するモデルを選ぶことができるのだ。この点は以前はSANS-13のページにも記載があったのだが、購入者から混乱の声が上がったためにページの記載は取り除かれている。だが自動巻き版SANS-13が購入できなくなったわけでは無く、今でもカスタム注文すれば入手可能。

そんなS&B WatchesのSANS-13は、戦術作戦での使用や、法務執行機関がオペレーションで実用できることを念頭にデザインされており、NTOA(全米タクティカル・オフィサー協会)の会員によりテストされ推薦された製品ともなっている。重火器系の雑誌Ballistic Magazineなどにも取り上げられている他、第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊ことデルタフォース所属の経歴があり、現在は重火器業界でコンサルタントをしたり、様々な銃を紹介するYouTubeチャンネルVickers Tacticalなどでも知られるLarry Vickers氏もSANS-13を着用していたようだ。

しかしそれにも増してSANS-13の人気に火をつけたのはハリウッド映画だ。ブルース・ウィリスとマイケル・チクリス共演、ブライアン・A・ミラー監督の2019年のハリウッド映画『10 Minutes Gone』で銀幕デビューしたSANS-13は、この人気で一時在庫が全て売り切れ、生産が間に合わない状態になった。



予告編にもでっかく登場しているのでご確認あれ。

さてそんなS&B WatchesのSANS-13、早速レビューしていこう。


開封



今回提供されているのはサンプル品となるので開封レビューはないが、このようにピッタリした細長い箱に入って送られてきた。

なお製品版には2年間の保障付き。


ケース



42mmのケースは316Lステンレススチール製。物理蒸着PVDで黒色にしてあり、水分その他の腐食物質からケースを守る。


ケース厚は12mm。こうして横から見ればベゼル天面が外向きに僅かに傾斜していることも判る。ケース側面は艶の無いヘアライン仕上げ。


風防はサファイアクリスタル製で、反射防止コーティングが施されている。先の映画予告編のような生死を分けるような危険なアクションでは風防がバリンと割れてしまうかもしれないが、より安価なミネラルガラスやプラスチック製の風防と異なり、傷は付きづらいタフな風防だ。


竜頭の両脇には竜頭ガードがせり出す。竜頭ガードは竜頭に近づくにつれて縦方向の幅が狭まっていくので、竜頭の回転や引き出し操作もしやすい。竜頭はコインエッジ。


竜頭頭頂部にはS&Bのロゴが刻印されている。竜頭はねじ込み式で、重要な作戦遂行中に間違って竜頭が引き出されたりする事を防ぐ。更に内部にはダブルOリングも備わっており、これらが高い防水性能を造り上げている。


ベゼルは逆回転防止120クリック式のもので、各時位置に対応した12の突起が外方向に突き出すような形をしており、ギアのような印象を与えている。

ベゼルを回転させると(とても主観的な言い方になってしまうが)堅めでしっかりとしたクリック感がある。単純なコインエッジベゼルとはまた違うこの形状は、特殊部隊や警察官などが作戦中にグローブを外すこと無くベゼルを回すことのできるように設計されたものだ。


ベゼルはほんの僅かにではあるがケースより突き出す。


12時の逆三角形部分にはC3スーパールミノバ蓄光材(蓄光写真は後ほど)。ベゼルインデックスは5分刻みで、60分のカウントダウン/時間測定が可能。


ラグ部分はくびれて突き出し狭まっていく形状。


裏蓋もPVDでブラックになっているのはうれしい驚き。


これまでレビューしてきた多くの安価な価格帯の腕時計では、ケースの大部分に色が使われていても、裏蓋部分は無着色の銀色のステンレススチールであるものが多かった。(2013年版のSANS-13の裏蓋は銀色だったことも記しておこう。この点も2013年版からの進化と言えるだろう。)

ムーブメントはスイスETA製のクオーツ。


文字盤



文字盤は大きなアラビア数字で各時が記されている。これらのインデックスもまたC3スーパールミノバ蓄光だ。アラビア数字の1~12インデックスの内側には小さなフォントで24までのアラビア数字も記される。しかしよく見てみれば不吉な数字である「13」は書かれていない。また「15」の部分も日付窓が来るため書かれていない。


文字盤は白と黒の要素で統一されており、時計全体との統一感がある。唯一12時下にある「S&B」ロゴの「&」部分が灰色となっているのは注意しないと気付かないだろう。


こちらの写真では蓄光剤によりインデックスが盛り上がっているのがお分かりだろう。唯一欠けている3のインデックス部には黒い縁取りの日付窓が。


6時付近には「WR 300 METERS」と防水性能の表記もさりげなく記される。

文字盤要素はふっくらとしたルミノバ部分を除けばプリントとなっていることもあって、安っぽい印象を受ける方もおられるかもしれない。逆に言えば装飾要素や、見た目だけの薄っぺらい要素を加えないというストイックさのある実用主義デザインと言えるだろう。


時分針はシリンジ型で、大きな蓄光部を持つ。秒針も先端近くに四角い蓄光部分を持っている。各分の線インデックスは長めであるほか、分針先端と重なるようになっているため、識時性が高い。各時インデックスの外周には各分ごとに線が記されている他、その上に覆い被さるようにして、時計中心に対して横向きにバー状に各時位置に蓄光部が存在し、更なる暗所認識性を与えている。


蓄光性能はかなり良い。着用したまま睡眠して、夜中に蓄光が光らなくなってから用を足すため起きたのだが、僅かな間の明かりで真っ暗なベッドに戻ってから手首のSANS-13が煌々と蓄光していた。

各時のアラビア数字部分も光るため、暗所で時間を間違えづらいのも特徴。更にベゼルの逆三角形マーカーも光るので、暗闇の中でも(蓄光の続く間であれば)ベゼルを活用した時間測定/カウントダウンが可能。


ストラップ



製品版にはラバーストラップに加えてNATOストラップも付属するが、今回はこちらのTPUラバーストラップのみのレビューとなる。


汚れや油に強く耐久性の高いTPUてでできたラバーストラップ。ラグ幅は22mmと大柄。厚みも大部分で3mmほどあり、ラグに近い最厚部で4.3mmほどのしっかりとした作り。


表も裏も縁部分は分厚めになっている。表側にはテクスチャーがある。クイックリリース式よりも耐久性の高いスプリングバー式。


ふたつのストラップループも幅がある。ストラップには(バックルに近い側の)ストラップループがあまり遠くに行ってしまわないようにネズミ返し(もしかしたらもっとちゃんとした言葉があるのかもしれないが)がついている。


DLCコーティングされた黒色のバックルにはピンが2本ある。ピンが一本のバックルだと、ピンが左右に揺れることもあるが、これであればそのような揺れは生じずきちんと固定される。


ラバーストラップはしっかりとした着用感で、着用中に偶然外れてしまうことはまず無いだろう。逆に言えば多少外しにくくもあるが、この安心感のある装着性は、危険のある仕事や、それこそ軍隊とか警察でも実用されるだけのことはある。


まとめ



海外の腕時計ファンの間では、日々戦場(比喩)を共に生き延びることのできる信頼できる頑丈でしっかりした腕時計を指して「daily beater」と呼ぶ。S&B WatchesのSANS-13はまさにそんな腕時計だ。


分厚いグローブを使用する冬場も、着用したままベゼルを回しやすいのは地味に重要。

タフで、実用的。高い識字性とシンプルな頑丈さからこれをフィールドウォッチというジャンルに入れても良いだろう。更に水深300mの水仕事もこなせる防水性能まで。信頼できる腕時計が欲しいという人にはピッタリだろう。


Image courtesy of S&B Watches

なお、カラーバリエーションとしては今回レビューした白文字盤のものの他にも、ケースとベゼル部がシルバーのモデル、文字盤が黒のモデル、文字盤がオレンジのモデルが存在する。SANS-13コレクションの中で最も高い識時性を求めるのであれば、この白文字盤のものよりも、黒文字盤のものが良いだろう。そうすれば黒文字盤に反対色である白字でインデックス要素が更に読みやすくなるはずだ。


一部腕時計ファンの中にはクオーツムーブメントであることを残念に思う方もおられるだろうが、前述の通りカスタム注文で自動巻き機械式ムーブメントETA 2829にする事も出来る。また、公式ウェブサイトに明示はされていないが、SANS-13以外のAtlantisモデルでも文字盤入れ替えなどのカスタムが可能となっている。気になる方はS&B Watchesまで問い合わせてみると良いだろう。

2020年には女性向け腕時計ラインも登場するし、S&B Watchesのダイバーズウォッチ、Atlantisはディスカバリーチャンネルの『Discovering Water』という番組のスポンサード・ウォッチにもなっている。またS&B Watchesによれば他にもまだここでは明かすことのできない興味深いニュースも今後続々でてくるようだ。今後も楽しみなマイクロブランドである。

Source: S&B Watches, Kickstarter

(abcxyz)

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