あのスマートな自動巻き腕時計の最新版!アクティビティトラッキングと環境配慮に特化して戻ってきたSequent SuperCharger2:プロトタイプレビュー


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自動巻き腕時計と同様に腕につけているだけで着用者の動きからパワーを蓄え、バッテリーを換える必要も、充電する必要も無いスマートな腕時計…。そんな夢のような腕時計の最新モデル、スイスSequent社のSequent SuperCharger2がKickstarterでキャンペーンを開始。既に目標金額を400%以上超える20万CHF(日本円で約2100万円)の出資を集めている。

今回は同社よりSuperCharger2 Premium Versionのプロトタイプモデルを提供戴いて居るので、これをレビューしていこう。ただしあくまでもプロトタイプモデルなので、製品版とは細部が異なる可能性があることをあらかじめお断りしておく。



Sequent



スイスのツーク*に本社を置くSequent社のSuperChargerが世界初の自動巻きハイブリッドスマートウォッチとしてデビューしたのが2017年。毎日充電しなければならないようなスマートウォッチが(2,019年である今でも)一般的な中にあって、自動巻き腕時計と同じくローターを内蔵し、日常的な腕の動きによってローターが回転することでパワーを貯めて稼働し、そのため充電の必要が一切無いという革新的なスマート腕時計だった。当初行われたKickstarterキャンペーンでは1,043,330スイスフラン(現行レートで約1.12億円!)を調達し、その後もIndiegogoで大きな成功を収めた。日本のメディアでも取り上げられてきたのでご存じの方も少なからずおられるだろう。



あれから2年…。Sequent社は新作SuperCharger2をひっさげてKickstarterでキャンペーンを開始した。スイス開発の独自の自動巻き機構はそのままに、初代の持っていた通知機能を省き、よりフィットネストラッキングに特化したほか、世界初であるユーザーの運動が独自の暗号通貨「SQ coin」を生成するという点も見所となっている。また、製品自体は海を漂うプラスチックゴミをリサイクルした部品が使用される他にも、「CO2 Saver monitering」などの機能を備え、環境への配慮に重点を置いている。デザインももちろんスイスで行われており、既にSuperCharger2はRedDotデザインアワード2019を受賞している。

*スイスのツーク:Blockchain Bizの記事によれば、ツークは仮想通貨、暗号通貨(クリプト・カレンシー)が盛んでスイスの「クリプトバレー」とも呼ばれているようだ。


開封



なお、今回レビューするのはあくまでもプロトタイプ。一応開封写真も載せるが、パッケージは初代SuperChargerのものが仮パッケージとして使用されているもの。なのでSuperCharger2のパッケージはこれとは異なる。




ケース



42mmのケースは316Lステンレススチールと、「航空用アルミニウム」という二つの素材を組み合わせたもの。アルミニウム合金であるジェラルミンかと考えたが、聞いてみたところ、アルミニウム表面に陽極酸化皮膜処理を施したアルマイトだそうだ。

後述するようにカラーバリエーションも様々に存在するが、こちらは青とシルバーで全体を統一し、エメラルド色のアクセントが目を惹くモデルだ。


ドーム状の美しい風防はサファイアクリスタル製。初代SuperChargerは唯一残念なところが(サファイアクリスタルと比較して)傷のつきやすいミネラルガラスが採用されている点であったことから考えても順当な進化だ。


横から見ると中央部と下部に青い素材が見える。シルバー部分は鏡面仕上げとなっているが、青の部分は艶消し仕上げがなされている。この青い部分がアルマイト製で、特殊なサンドブラスト加工を行うことで光沢のある美しい表情を出している。公称ケース厚は12.10mmで、風防頭頂部まで含めると14.70mmとなる。


裏はシースルーとなっており、ローターの回転を目にする事が出来る。一般的な自動巻き時計とは少し異なるのは当然だが、それでもやはりローターは歯車を回転させて内部のバッテリーを充電している。


そのためもあり、中央ローター下部には自動巻き腕時計と同じように人工ルビー製と思しき穴石が3つ見て取れる。


ローターに刻まれた溝には歯車の歯のような刻みがあるが、これは初代SuperChargerのローターにも存在する意匠だ(このプロトタイプ版に使用されているのは初代SuperChargerのものなので当然かもしれないが)。プロモーション動画からすると製品版にはローターにSequent社のロゴも刻印されると考えられる。

なおローター部分はまだ製品版に向けてかなりの改善が加えられるとのことだが、なので今後詳細が変更される可能性もある。今のところ、フル充電された場合のパワーリザーブはなんと781日とのこと。


一般的な腕時計と同じく3時位置に竜頭が備わっている。このレビューの写真の中には一見ねじ込み式の竜頭をねじ込み忘れたかのように見えるものもあるかもしれないが、これは押し込むことができる仕組みのため本体から少し飛び出しているからだ。この竜頭は時刻を調整するためのものではなく、スマートフォンとの接続に際し使用するようになっているのだ。

竜頭頭頂にはSequent社のロゴがあり、側面にはゴムのような滑り止め素材がついている(このことからすると竜頭を回すことに何らかの機能が付加されるのかもしれないが、竜頭部分はプロトタイプモデルと最終版では異なるとも言われたのでなんとも言えない)。


竜頭の反対側には銀色の2つの点が。これは腕時計のアクティベーションやファームウェアアップデートなどの重要なオペレーションを行う際に使用するチャージ用コネクタだ。

防水性能は50ATMとなっているのも心強い。


バリエーション




上はPremium Versionのカラーバリエーション。サムネイルでは見づらいかもしれないが、文字盤が透明なモデルも存在するので要チェック。Premium VersionのKickstarterキャンペーンリワード価格は229米ドルから(透明ダイヤル版は249ドルから)、一般販売予定価格は299ドルとなっている。

今回のレビューモデルはPremium Versionだが、これとは別にSport Versionというのも存在する。そちらは性能としては変わらないが、ケースは航空用アルミニウムのみを使用しており、風防はミネラルガラスを使用している。



こちらがSport Versionのバリエーションとなる。Sport VersionのKickstarterキャンペーンリワード価格は179米ドルから。一般販売予定価格は399ドルとなる。

保証に関しては初代SuperChargerと同じく1年間の基本的な国際保証付がつく。

なお日本のデジタルガジェットファンには嬉しいことに、日本の技適も取得予定となっている(Sequent社は初代SuperChargerでも取っていた)。


文字盤



このモデルの文字盤は青地。実はこの文字盤はリサイクルプラスチック製だ。しかもただのリサイクルプラスチックではなく、海洋プラスチックゴミをリサイクルして作ったもの。

これはスイスの会社が提供する海洋プラスチックリサイクル素材を用いたものだ。この会社によれば海には毎年800万トンのプラスチックゴミが廃棄され、汚染を生み出している。

同社は様々な団体と提携しており、世界の海で回収された海洋プラスチックゴミをスイスでリサイクルする(海の無いスイスでリサイクルするのはなんとも皮肉なことだ)。通常海洋プラスチックゴミは海水と紫外線への暴露により耐久性が弱くなっているのだが、同社とスイスのラッパースヴィル応用科学大学材料工学・プラスチック処理インスティテュート(the Institute for Materials Technology and Plastics Processing, Hochschule für Technik)とが共同開発した特殊な技術によりこれを克服し、リサイクル可能な素材へと作り替えることができるのだ。

そんな青い文字盤の中の要素は、シルバー色のバー状アプライドインデックスと、同じくシルバー色の時分針、そしてエメラルドグリーンの機能針(勝手につけた名前)。


時分針は中抜きがされており、機能針がどの位置にあっても可視性を保つ。分針は先にカーブをつけた上品な仕上げ。


機能針は中心から僅かに6字方向よりの位置から伸びており、高さ的には時針よりも低い位置に存在する。そのため時分針のようにぐるり一周することはできない。機能針はアクティビティトラッキングでいえば自らの目標に対してどれだけの成果を示しているのかの指標であると共に、スマホとの連携時にはこの部分が動いて状態を示す役割も持つ。機能針の外周部分は白とエメラルドグリーンが線を描き、目標に対する現在までの経過を見せる。その線を避けるように5,6,7時のインデックスは短めになっている。

そのほかには12時方向にSequent社のロゴと社名、そして機能針の下にSuperCharger2の名称が記されている。


ストラップ



ストラップもまた先の会社の海洋プラスチックゴミリサイクル素材で作られている。ベースとなる繊維の水色に白い繊維が長さ方向に縫い込まれ、バックルとバックル穴の部分はエメラルドグリーン色のゴム製素材。


クイックリリース式となっているので付け替えは容易。

艶のあるシルバーの金属製バックルは特許取得済みのピンシステム。ストラップの両方に先端の丸いピンがついており、これを穴にはめることで取り付ける。多分ピンが一つしかなければ意図せず外れることもあるだろうが、二つついていることでシンプルな仕組みながらしっかり固定できる。


他のタイプの時計ストラップでは時折腕の上で回転してしまこともあるが、二つのピンに加えてストラップ繊維が均一である程度の堅さがあることもあり、きちんと腕の上面に時計部が固定される。


16~17cmほどの私の手首径では、時計6時方向からでるストラップの方は小さい方から二つ目、時計12時方向のストラップ側は3つ目の穴(このプロトタイプでは穴が一つづつずれる)で丁度良く収まる。きつすぎること無く、なおかつずれること無く、空気の通り道も十分確保されている。


一般的なストラップに慣れた身としては、両方のピンを穴に入れないといけないというのに最初は戸惑いを感じたが、数度の使用で慣れることができ、慣れれば簡単に脱着できるようになった。

なおバックル部分については、製品版ではこのプロトタイプモデルよりもより脱着が容易になるようへと変更されるとのことだ。


スマート機能



アプリケーションの方はまだ未完成の部分があり、レビュー記事執筆中に全機能を使えたわけでは無い。

スマートフォンとはBluetoothで接続する。時計の竜頭を二度押し込むと接続モードになる。スマートフォンに接続すると機能針がツツツツと緑色の外周部に動く。

基本的な機能としては、スマートフォンの時刻とSuperCharger2の時刻の同期がある。一般的にスマートフォンはNITZという仕組みを用いてネットワークから提供された時刻を使用することで正確な時刻を保つ(ことができる)ようになっている。SuperCharger2は正確な時刻情報を受信しているスマホの時刻と同期することにより、正確な時刻に合わせることができるというわけだ。

これまでこのプロトタイプを使用した限り、SuperCharger2は常時スマホと接続する形態のデバイスでは無いようだが(だからといって数日使っていても時間がずれるわけでも無い)、アプリを開き二度竜頭を押してスマホと同期するだけで時間がシンクロナイズされる。


海外への出張、海外旅行などの際にスマートフォンが自動的に現地の時刻を取得するのを経験した方もおられることだろう。この際にもSuperCharger2をスマホとシンクすれば、時計がそれに合わせ自動で変更するというのは、手動で時計を合わせるより間違いが無く確実だし、時差がおおきければ大きいほど自動の方が楽だ。


シンクロナイズされるのは時刻情報だけでは無い。SuperCharger2にはアクティビティトラッキング(万歩計機能)もついており、このような情報もシンク時にスマホ側に共有されるようだ。他にも、初代SuperChargerと同じく、GPS位置情報記録(要スマホ)を備えたスポーツトラッキングも備えるほか、睡眠の質の計測も行えるようになるようだ。

個人的に興味深い機能として、「CO2 Saver monitering」という個人のCO2削減量をモニタリングする機能も搭載予定。こちらはアルゴリズムから作ることとなっており、現在未だ開発段階となっている。

更に今回新たに生み出されるSequent社独自の暗号通貨「SQ coin」というのも興味深い存在だ。これは、時計をつけて計測した自らのアクティビティを、健康&環境関連の製品やサービスに使用できる通貨にするというもの。一体どのような製品やサービスに通貨が使えるのか、何歩でどれくらいの価値の通貨となるのか、そして振動する物に時計をくくりつけて通貨を増やそうとするような行為にどう対処するのか、などなど興味は尽きないが、詳細は現在のところ未公開。未だこの部分も開発中であり、Sequent社曰く「複雑なトピック」であることもあり、詳しい情報はもう少し待たなければいけないようだ。


まとめ



化石燃料に頼らないエネルギー、再使用可能な、循環型のエネルギーに注目が集まる昨今。デジタルガジェットとしてのスマートなフィットネストラッカー機能はそのままに、バッテリーを入れ替えることも充電することも無く、「自分の動きで機械が動く」という自動巻きムーブメント腕時計の楽しさを合体させたSequent SuperCharger2。

初代SuperChargerについていたスマホの通知を知らせる機能が無くなったことを残念に思う人もいるであろうが、フィットネストラッキングの他にもCO2削減モニタリングや暗号通貨が貯まる機能をつけたというのは面白い。暗号通貨がどのようにして貯まり、どう活用されるか具体的なことも早く知りたいところだ。

気になる方はSequent社のウェブサイトまたはKickstarterキャンペーンページをご参照あれ。




Image courtesy of Sequent

Source: Kickstarter

(abcxyz)

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