玉石混淆の腕時計の世界の宝地図、SOMA。6月のローンチに豪華ブランド続々


ディスクロージャー:筆者はSOMAの「ウォッチ・コミュニティー向けテクノロジー・ソリューションのアンバサダー」に任命されており、この記事はSOMAのために執筆したものである。

世界に星の数ほどある腕時計ブランド。玉石混淆のこの世界で、隠れた宝玉を見つけ出すのは簡単なことでは無い。そんな世界にあって、ソーシャル・マーケットプレイスSOMAは宝地図とも言える存在になるかもしれない。


隠れた宝石を探して



素晴らしい腕時計ブランドを見つけることは、時として難しい。大手の腕時計メディアが注目するのは有名ブランドばかりだし、素晴らしいブランドが優れた広報をしているとは限らないからだ。

特に若いマイクロブランドの中には広報に予算を割けないところも多いし、高品質のアルチザン腕時計を作るブランドの中には広報よりも時計作りにフォーカスしているために限られた人にしか知られていないものも多い。

しかもせっかく素敵な腕時計を見つけても、小規模なブランドの中には容易に購入できる手段が用意されておらず、購入するのが難しいものも少なくない。小売店を使用せず顧客との直接取引でしか販売していないブランドのように、購入経路が限定されるところの中には、買おうにもこちらから一から交渉しないといけないブランドなどもあったりする。


SOMAはソーシャルプラットフォーム性を兼ね備えたマーケットプレイスを作ることでこのような問題を解決し、腕時計ファンがお宝を見つけることを容易にするのだ。そしてコホート1向けのローンチが6月に迫るSOMAには、続々と魅力的なブランドが集まってきている。

そんな売り口上はどれだけ言っても、実際にどんな「お宝」が見つかるのか解らないのでは魅力も伝わらないことであろう。以下にSOMA無しでは見つけることも購入することも難しい魅力の腕時計ブランドを具体的にみていこう。


Skill



独立時計師Olivier Mory氏のマニュファクチュール・ブランドSkillなどはまさに優れたアルチザン腕時計ブランドの好例だろう。Mory氏はオーデマ・ピゲ、パテック・フィリップなどの超有名高級腕時計ブランドで働いたこともある人物だが、高級ブランドなどの提供する価格よりも安価に自らイン・ハウスでトゥールビヨン・ムーブメントを作り、提供できると考えてこのブランドを作るに至った。そんなSkillの自社製トゥールビヨン・ムーブメントを搭載した腕時計はわずか7500ユーロ(記事執筆時レートで約93万円)と、イン・ハウスのトゥールビヨンとしては破格の値段だ。

この価格を高価に思われる方もおられるかもしれないが、これは安価でシンプルな量産時計とは大きく違う。まずイン・ハウス・ムーブメントとは自社製ムーブメントのことを指す。多くの腕時計ブランドは高級ブランドのものも含め、時計内部に使用するムーブメント部を他社製のものに頼っている。イン・ハウスのムーブメントとはこの内部のムーブメントも自社で作ったものであり、そもそも自社で機械式ムーブメントを作れるブランドは少ない。更にはムーブメントを他社に提供する専門の会社などもあるので、自社一貫生産(これを「マニュファクチュール」と言う)を行う会社は希なのだ。


マニュファクチュールブランドというだけでも十分腕時計の価格を押し上げるし、他のブランドに属さない独立時計師のマニュファクチュールとなれば数百万円以上するものがほとんどだ。その上、トゥールビヨン(Tourbillon)という時計の脱進機が回転する複雑機構も備えているのである。トゥールビヨンはその製造の難しさから非常に高価で、腕のある時計職人しか作ることができず、暫く前までトゥールビヨン機構を備えた腕時計は価格も1000万円は下らなかった。

Skillの腕時計は魅力でも、流石にトゥールビヨンは手が出ないという方は、Skillの自動巻き機械式腕時計が良いかもしれない。価格は4000ユーロ(約49万円)とこちらもマニュファクチュール腕時計としては悪くない価格。しかも、Skillの自動巻き腕時計を購入した後に同ブランドのトゥールビヨン腕時計が購入したくなった場合は安価にトゥールビヨン腕時計と交換してくれるプログラムまである。7500ユーロから4000ユーロを引いた差額の3500ユーロ(約43万円)を払うことで交換かと思いきや、Skillの自動巻き腕時計を返却すると共にトゥールビヨンとの差額の僅か半分の価格、1750ユーロ(約22万円)を支払うだけで手に入れることができるという、こちらも破格のオファーだ。


また、スイス時計協会は2017年より、「腕時計におけるSwissの名称の使用を規制する法令」を改正し、時計の製造コストの60%以上に当たる部分がスイスで造られねば「Swiss Made」と呼ぶことはできないという厳しいものにしているが、Skillの腕時計はスイス・メイドであることは当然ながら、なんとその割合は100%。100%スイス・メイド、正真正銘のスイス時計だ。

ブランドとしてのSkillは他にも優れている点がある。修理保証だ。もちろん修理保証はラグジュアリー腕時計には良くあるサービス。だが、多くのブランドがこのような保証を行うのは2,3年、長くても5年か10年がいいところ。一方のSkillは、自社の全ての腕時計に一生涯保障付きという、他では考えられないようなサービスもついているのだ。Skillの腕時計に何らかの問題があり、顧客がSkillに連絡すると、木箱が手元に送られる。木箱に入れてSkillの工房へと送られた腕時計は丁寧に修理された後に送り返される。


この革新的なブランドは設立当初から一貫して、素晴らしい腕時計を造り上げ、それを手頃な価格で提供し、生涯補償するという姿勢を貫いてきた。しかしこのSkillには今変わろうとしている部分がある。これまでSkillは顧客と直接のやりとり以外では製品を販売していなかった。スイスを訪れ、Mory氏(上写真)に会うこと無しにこの素晴らしいブランドの時計を手に入れる術は無かったのだ。そしてこれがSkillが変化する部分。

そして直接取引以外でのSkillの腕時計の販売が始めて行われるのがSOMAマーケットプレイスだ。このような高度な技術を持ちながら人知れず存在していたブランドに注目を与えることができ、隠れた宝玉に光を与えることができるのがSOMAなのだ。

しかもSOMAソーシャル・マーケットプレイスのコホート1ローンチに合わせ、Skillはシリアルナンバー入り100本限定トゥールビヨン腕時計を提供する。ただ販売するだけのマーケットプレイスだけに留まらない腕時計ブランドのと提携もSOMAの目指すところだ。


ErridiBi



ErridiBiは、山や湖に囲まれた絶好のリゾート地でもある、イタリアはブリアンツァの独立腕時計ブランド。

実はこのブランドはデザイナーFranco Viganò氏により20年前に設立されたブランド。2017年からは工業部品を用いたダブルケースの特許を持つViganò氏に加え、Guido Virginio Villa氏を新たにパートナーとして迎え入れ、ようやくSOMAにて華々しいカムバックを迎えることとなる。


同社の腕時計は少量限定生産しかしていない上、細かくカスタマイズ可能であることが特徴だ。例えばケースサイズは2種、M24(36 x 50 mm)とM27((41 x 53 mm)があるが、9つのパーツから成るケースの材質はアルミニウム青銅、グレード5チタニウム、超々ジュラルミン(「A7075」とも、住友金属工業が開発し零戦などにも使用されたアルミニウム合金)、貴金属などで構成。表面の仕上げやダイヤルも思いのままだし、レーザー刻印、ストラップのスティッチに至るまで細かにパーソナライズできるのだ。


そしてErridiBiはSOMAのコホート1ローンチに合わせ、特別割引と共に限定エディションの腕時計も提供してくれる。限定エディションとなるM24は、26 x 50mmのアルミニウム青銅C63000(航空機などに使われる)製ボディーにハンドメイドのRdBダイヤル、金のインデックス、金のダフネ針、6時部分にSOMAのロゴ入り、ケースバックはグレード5チタニウム製で底にもSOMAのロゴが刻印されている。


他にも続々魅力の時計ブランド



SOMAを一般に先駆けて体験できる限定グループ、コホート1に向けて特別な特典を用意してくれているところとしては他に、Havaan Tuvali(Bluefin Dive Watch限定1本半額)、Mint Evolutive(上写真のIntelligencerを始め、Divemaster、Defenderシリーズが20%オフ)、Viqueria(Levante47%オフ)、Tockr(Air Defender20%オフ)、Outcast Watches(Series 1限定1本75%オフ)なども存在する。


これらの他にもSOMAでは、世界各国の腕時計ブランドから、多種多様なスタイルの腕時計が購入できるようになる。独立時計ブランドではFernando Ronzon(上写真)などもSOMAに参加してくれている。独立系も素晴らしいがより手頃でユニークなものを探しているという方にはPedralLagomのような北欧デザインのシンプルでお洒落なもの、洗練された個性を持つSartory-BillardWessex Watches、力強さ溢れるRVLVRAdvisorなど、SOMAではきっとあなたのお気に入りのスタイルの腕時計を見つけることができるはずだ。


乗り遅れるな、コホート1



腕時計ファンには見逃せないブランドが発掘できるSOMAの魅力をご紹介してきたが、その先行体験が可能な限定グループ「コホート1」が6月に満を持してローンチする。これはただの先行体験だけでなく、今回の記事で述べてきたように、特別な割引や限定版腕時計モデルが用意される豪華な限定グループだ。

コホート1のメンバー数は100人に限定されている。100人以上の応募があった場合抽選となるが、まずは応募してみなければその豪華特典の恩恵に授かることも無い。興味のある方はこちらのフォームから申し込み戴けるようになっている。

ローンチ開始は当初の予定からすこし遅れることとなったが、ローンチに向けた準備は着々と進んでおり、去る4月にはフィンランド雇用経済省の一部門であるBusiness Finlandから2度目のビジネス助成金を受けている。この助成金の話も少ししておくと、昨年8月に受けたラウンド1助成金が5万ユーロ。このラウンド助成金と共に課された目標を全て達成したことにより、この度第2ラウンドの助成金として110万ユーロの助成金が達成されたのだ。シリーズAラウンドは2020年春に行われる予定となっている。

なおコホート1の終了後には次なるベータテスト「コホート2」が行われることになっている。このコホート2では参加者が大きく増えて、500人がそのメンバーとして選ばれることとなる。その後一般向けにローンチする事になるSOMAプラットフォーム、一般向けのローンチは8月予定となっている。

Source: SOMA

(abcxyz)

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