Sponsored by NIXOID
今年8月、ソ連製のニキシー管を使った腕時計のプロジェクトをご紹介したのを覚えておられるだろうか?そのときはKickstarterでHandcrafted Workshop名義で行われていたキャンペーン、乗り遅れた人は残念な思いをしたに違いない。幸いなことにこのプロジェクトが戻ってきた。
今度はIndiegogoで資金を集めるニキシー管腕時計プロジェクト「Excellent Nixie Watch ver. 1」、嬉しいことに今回は以前のキャンペーンで数量限定のプロトタイプ版のみの提供だった蛍光表示管モデルもリワードとして数量無制限で提供される。
前回のご紹介と被るところも多々あるが、早速今回のキャンペーン詳細を見ていこう。
NIXOID
ウクライナのエンジニア達Yaroslav TilnovとIvan SergienkoらによるチームNIXOID、その前回のプロジェクトの成功についても少し語ろう。
Handcrafted Workshop名義でなされた前回のプロジェクトはKickstarterで目標金額3000ドルを僅か3時間で達成。その後も順調に出資者を増やし、最終的には189人のバッカーから4万6763ドルを集めた。特に日本からの出資はアメリカに次いで多いのも特徴であった。
資金調達後は当初の予定である9月の発送よりは遅れたものの、ミネラルグラス製の物は10月中旬に発送を完了させ、サファイアクリスタル製風防のものは11月から順次発送を行っている。InstagramではNixoid LAB!(@guywmz)として完成から発送までの道のりが公開されている。
そんな彼らが新たにNIXOID名義で(クリエイター名としては異なるが)開始したIndiegogoでのプロジェクト。今回リワードとして提供されるのは、前回に引き続きNixoid、Glower、そして前回は少数のプロトタイプのみの提供だったERA VFDの完成版、この三種の腕時計だ。
Nixoid
直径55mmの円形の筐体の中に「IN-16」ニキシー管が温かみのある光で時を示すNixoid。ニキシー管はネオンガスなどで満たされたガラス管であり、冷陰極管という方式で光を放ち、数字などを表示する。また、今回リワードとして表示される腕時計の中でも、数字を曲線を持って表示できるのはニキシー管を使用するNixoidだけ。暖かい丸みを帯びた数字のレトロ感が堪らないという人は多いだろう。
ABSプラスチック製の本体厚さは22mmで、ストラップも22mm。側面にボタンが付いており、そこを押すことで時刻が表示される仕組みだ。micro-USBで充電可能な220mAhのリチウムポリマー電池が内蔵されている。
バッテリーは満充電からスタンバイモードでは2ヶ月持ち、通常使用(一日30~50回の時間表示)で20~30日ほど持つ。また、バッテリーが0%となっても時刻合わせは必要ではなく、ただ再充電すれば良い仕組み。
Nixoidのスペック詳細は以下の通り:
時間フォーマット: 12/24 hour
日付フォーマット: DD/MM/YY
バッテリー: 内蔵充電式リチウムポリマー、取り替え不能、 220mAh
パワーサプライ: 5V DC
接続方法: micro-USB
作動温度: 0度から+50度
サイズ: 直径55mm、高さ20mm
ストラップ: 22mm、(Samsung)Gear S3のストラップまたは他の22mmストラップと互換性あり
Glower
Glowerは小さなフィラメントが亜酸化窒素(いわゆる笑気ガス)のなかで光る仕組みの、フィラメント表示管(Numitron tube)の「IV-9」を用いた腕時計だ。こちらも暖かなオレンジ色であるが、表示管の数字が直線的であることが特徴。
こちらも筐体はNixoidと同様に円形だが、サイズは僅かに小さく直径49mm。本体側面のボタンを押して時刻を表示するのは同じ。220mAhの内蔵バッテリーをmicro-USBで充電するのも同じだが、バッテリーの持ちに関しては通常使用で14日間、ただスタンバイモードではNixoidと同様2ヶ月持つ。
Glowerのスペック詳細は以下の通り:
時間フォーマット: 12/24 hour
日付フォーマット: DD/MM/YY
バッテリー: 内蔵充電式リチウムポリマー、取り替え不能、 220mAh
パワーサプライ: 5V DC
接続方法: micro-USB
作動温度: 0度から+50度
サイズ: 直径49mm、高さ18mm
ストラップ: 22mm、(Samsung)Gear S3のストラップまたは他の22mmストラップと互換性あり
ERA VFD
Kickstarterキャンペーンで手に入れることが出来なかった人にはお待ちかね、ERA VFDは「IV-3A VFD」蛍光表示管(vacuum fluorescent display)で時を表示する仕組み。
ERA VFDの特徴は、緑の光と長方形の筐体だ。先に紹介した2モデルは時刻表示は数字を2桁ずつしか表示できないため、「時」を表示した後に「分」が表示される仕組みだが、ERA VFDは横長であるため同時に4桁表示可能。このような小型の筐体の中で蛍光表示管を効率的に機能させるのは難しく、NIXOIDも長年をかけてやっと完成させることができたとのこと。蛍光表示管を使った腕時計は世界初だともしている。
こちらは少し容量の多い300mAhのバッテリーを搭載し、通常使用で15日間、スタンバイモードで2ヶ月のバッテリーの持ち。
ERA VFDのスペック詳細は以下の通り:
時間フォーマット: 12/24 hour
日付フォーマット: DD/MM/YY
バッテリー: 内蔵充電式リチウムポリマー、取り替え不能、 300mAh
パワーサプライ: 5V DC
接続方法: micro-USB
作動温度: 0度から+50度
サイズ: 幅57mm、縦42mm、高さ18mm
ストラップ: 22mm、(Samsung)Gear S3のストラップまたは他の22mmストラップと互換性あり
その他
Kickstarterキャンペーンでもそうだったが、今回使用される「IN-16」、「IV-9」、「IV-3A」それぞれの表示管もまたソ連製のもの。今は無きソ連で作られた管を使用する、といっても中古の管ではなく、使用されるのは古い軍用倉庫から見つかった新品の管だ。
筆者の住むフィンランドでは「ソ連製」と言うと大抵粗悪な品質の物をイメージする人が多いが、NIXOIDによればこれらのソ連製の表示管は、米・独・日製のものと比較しても信頼性が高いとのことだ。その理由は、軍用に製造された物であるため、管に使われるガラスが分厚く、振動に非常に強いためだという。
ストラップはどれもクイックリリース式となっており、Samsung Gear S3のストラップや、それ以外の22mmストラップと互換性もあるが、NIXOIDの用意する専用ストラップにもバリエーションが用意されている。NIXOIDの腕時計のために作られたストラップは、表面に細かなテクスチャーが刻まれ、色は赤、黒、青、緑の4種類から選択可能。
また、GlowerとERA VFDに関しては、バックライトの色が黄色、緑、青、赤、バックライト無し、の中から選択可能となっている。
加えて、時間フォーマットは前回のプロジェクトと同じく出荷時にファームウェアーで決定する仕組みで、注文時に時間表示を12時間か24時間か選択する。
付属品としてはmicro-USBケーブル、レトロなテレビのスタンバイ画面風のボックス、同じくレトロ感溢れる説明書、となっている。
ストレッチゴールとしては1万ドルでNixoidの風防をサファイアクリスタル製に、1.5万ドルでGlowerにサファイアクリスタル製の風防。3万ドルでシリアルナンバーとバッカーナンバーをレーザー刻印。5万ドルでどの時計にもスペアの管が付属、7万ドルでケースが金属製に!個人的には金属製ケースとなったこれらの腕時計達が見てみたいところだ。
まとめ
Indiegogoでのキャンペーンは始まったばかり。ニキシー管のNixoid、フィラメント表示管のGlowerに、新たにERA VFDも正式に加わった今回はどれだけ資金が集まるか楽しみだ。
レトロフューチャーな腕時計としての奇抜性のみならず、使用される管がどれもソ連製というストーリー性も持ったユニークな時計と言えよう。非点灯時の内部構造の美しさも見物だ。
なおNIXOIDのIvan Sergienko氏から日本の読者の皆様にコメントも戴いている。
来年以降、私たちは新たなキャンペーンを企画しています。ニキシー管を使用したパソコン用フラッシュドライブです。日本のバッカーの皆さんのテイストにも合うと考えています。
なおこの情報を報じるのは当ブログが初の独占情報となる。
レトロな管が放つ輝きに魅了された方、Kickstarterキャンペーンを逃した方は今回のIndiegogoでのキャンペーンをお見逃し無きよう。来年のニキシー管フラッシュドライブもどんな物になるか楽しみだ。
Image courtesy of NIXOID
Source: Indiegogo
(abcxyz)
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