高級感溢れる質感、レトロで楽しい打鍵感、美しすぎるキーボードAZIO「RETRO CLASSIC: Elwood」提供レビュー


今回はタイプライターを彷彿とさせるAZIO社のビンテージスタイルのキーボード、「RETRO CLASSIC」シリーズより、木と金属の組み合わせが美しいElwoodカラーのBluetooth/USBハイブリッドモデル日本版をレビューさせて戴く。このブログ記事本文のほとんどもこのキーを用いて記している。

販売価格4万円台と決して安くはない。そして仕事としてタイプする人には向かない。だがそれだけの高品質感と、タイピングの楽しさを持ち合わせたキーボードとなっている。



クラウドファンディングで大成功、AZIOのキーボード




AZIOの高級感たっぷりなキーボード、「RETRO CLASSIC」は既にIndiegogoでの成功の後、Makuakeでも成功させ、日本語版のキーボードを出している。先にも記しているが、今回レビューするのは日本語版キーボードとなる。


開封



ボックスは、説明が記されたパッケージに覆われている。


パッケージのスリーブを外せば、ロゴのみのシンプルで高級感溢れる箱が登場。


カバーに丁重に覆われたこちらがキーボードだ。


付属品はUSB接続と充電に用いるUSB-USB Cケーブル、取扱説明書、キーボードの質感にマッチする木製の保証書、MAC用付け替えキートップ、お手入れ用の布。

開封だけで満腹感のあるエクスペリエンスだが、本番はこれからだ。


本体



こちらが「RETRO CLASSIC」のElwoodモデル。このほかにも素材や仕上げ、色の違いなどにより、Artisan、Posh、Onxyというモデルが存在する。どれも完成度の高い美しさを持ち、どのモデルを選ぶのかは悩ましいところだ。


キーボード盤面は高級クルミ材が使用されており、レトロ感と自然のぬくもりを日々のタイピングに付加してくれる。キートップ中央部分はプラスチック製だが、キートップの縁取りはガンメタルマット仕上げの亜鉛アルミニウム(zinc aluminum alloy)となっている。これは装飾的な意味でも高級感を出しているが、タイプ時にキーの縁取りがひんやりとした感覚があるのだ。


またキーボード本体の縁、そして本体下部四隅にある足部分も同素材で縁取られていて美しい。


裏面はこのようになっている。重みのあるキーボードをしっかり支え動かないようにする滑り止め付きの4つの脚が印象的だ。


キー入力



(今回はこのようにGPD Pocketに接続して使用した。)

打鍵感はこのキーボードの肝と言って良いだろう。まるでタイプライターかのように高さがあり、押し込み甲斐のある丸いキーを叩くのは快感だ。


カタカタ、カチャカチャ、といった擬音がピッタリの音を放ちながら文字をタイプするのはなんといっても楽しさがある。


キーは完全に押し込まなくても反応するが、完全に押し込むのが感触的に楽しい。

サイズは147x455x40mmで重さはずっしり2722g。重さからしても携帯用キーボードには適さないことは明白だが、デスクトップ使用としては一般的なキーボードよりも重いことが利点ともなる。激しいタイピングやゲーミングでもキーボードが定位置から暴れない(動かない)のだ。


今回レビューするのはBluetooth接続もUSB接続も可能なハイブリッドモデル。なのでBluetoothに対応するパソコンやBluetoothレシーバーをつけたパソコンはもちろんのこと、Bluetooth対応のモバイル機器を使うこともできる。


タイピングに関して少々残念なのは、「む ] }」キーが「Enter」キーの上、「Backspace」キーの下に配されていること。一般的なキーボードでは「Enter」はJの字状になっている。それと同じ感覚でタイプしてしまうと、間違って「む」キーを押してしまう。また、「む」や「」キーを押そうとしたときに、このキーの感触が少し幅広で他の文字キーとは少し違うため、なおさら混乱してしまう。丸い文字キーは中央が窪んでいるが、このキーは他の幅広のキーと同じく窪みがなく平らなのだ。

加えて「|」、「_」、「\」、「ろ」などのキーが「INS」、「DEL」キーと共用になっていること。これらのキーを使うには「右Alt」キーの右に配された「FN」キー(ファンクションキー)と同時押し(もしくは「FN」キーと「Shift」キーと該当キーの同時押し)となっていること。特にかな入力をマスターされていることにとっては「ろ」キーが「め」の横ではなく遠く離れた位置にあり「FN」と一緒に使用しないといけないことは苦痛だろうし、「_」(アンダーバー)を多用しなければならない人も慣れるまでは大変だろう。「ろ」がないのに「右Shift」キーが(「左Shift」よりも)長いのも残念だ。


キーボードはWINDOWSレイアウトとMACレイアウトの両方に対応しており、本体についているモード切替スイッチで変更すると共にキーを付け替えることで対応。付け替え用キートップは25個付属している。

なお、Bluetooth接続時には「6KRO」(6キーとCTR/ALT系のキーの同時押しまで対応)であるが、USBを経由しての接続時には「NKRO」(同時押しキー数に制限無し)に対応する。


付け替えは非常に簡単でキーを垂直に引っ張れば引き抜ける。バックライト用のLEDはキー下部中心に配されており、綺麗にキートップに記された文字を照らし上げている。


バックライトはこのキーボードの美しさに実用性と華を添えている。暗い室内でのタイピングも問題無い。

バックライトやBluetoothなどのキーボードの機能は「FN」キーと「UP」、「DOWN」、「-」などのキーらを同時押しして変更。Bluetooth/USBハイブリッドモデルではバックライトの機能は消灯+明るさ三段階調整のみとなっているが、USBモデルではキーを押さない状態が続くとバックライトが徐々に暗くなるリアクティブモードや、バックライトの光がリズミカルに明暗を繰り返す「ブリージングモード」などもある。

キーボードには今回レビューしたBluetooth/USBハイブリッドモデルの他に、USBモデルも存在する。USB版は文字通りUSB接続使用のみのバージョンだが、Bluetooth/USBモデルはBluetooth接続ができると共にUSB接続も可能となっているので、Bluetooth版の方が様々な状況にあわせて使用できると言えるだろうが、有線接続しか使わないという方やバックライトの光モードなどが気になる方はより安価なそちらを選択すると良いだろう。


その他



キーボード向かって奥の二辺の脚は長さが2通りに調整可能。脚を回すとせり出す仕組みだ。


こちらはキーボード上辺面にあるスイッチ類。左から、Bluetoothモード、USBモード、オフの切り替えスイッチ、そしてキー入力をMACモードとWindowsモードに切り替えるスイッチ。


右のUSB Cポートは充電マークが付いているが、充電する際のみでなく、USBモードでのキー入力にも使われる。1.8m(6フィート)のUSB~USB Cケーブルが付属しており、充電もUSBモードでもこれを用いる。なお内蔵バッテリーは充電中でも本体スイッチを「USB」モードに切り替えることで充電しながらのキーボード使用が可能となっている。

Bluetooth/USBハイブリッドモデルには6000mAhのリチウムイオン電池が内蔵されており、これをUSB使用時に使うケーブルで充電する仕組みとなっている。Bluetooth接続でのバッテリーの持ちはなかなか長くて、バックライトオフでの使用であれば約1年(!)、バックライトを使用すれば明るさにより1~3ヶ月となる。


個人的に大好きなのはキーボード右上に配されたインジケーションLED。ここはNumLockやCapsLockのほかバッテリー残量やBluetoothの状態を示す。ここは状態に合わせて白、赤、青に光るのだがなんだかこの明かりの付いた感じがレトロな通知灯を彷彿とさせてツボなのだ。


まとめ



タイピングを仕事で行わないといけない方には重い打鍵感と一部変則的なキー配置のためお勧めはできない。しかし機能だけを追求した他のキーボードには見られない高品質感、それを所有する満足感、そして「キーを打つ楽しさ」が楽しめるキーボードとなっている。

変則的配列は一部あるものの、ほとんどのキーを押すのは問題とはならないし、タイプ速度が速い人は同時押しキー数に制限のない「NKRO」機能や、本体重量があるために激しいタイピング中にもキーボードが動かないという利点もある。

それにも増して何よりも打つ感覚が楽しいのはこのキーボードの特徴だろう。プラスチックだけで作られたキートップとは違い、その外周に金属を配置するデザインにより、見た目が美しいだけでなく指をキーの上に置く際にも触感の違いが楽しめる。

この異なる素材の使用により生まれた美しさは、このキーボードをただの実用品ではなく、インテリアとして部屋の中に置いても恥ずかしくないパソコン用品、デザインインテリアとして十分美しいガジェットへと昇華している。

ご購入はAmazon.co.jpから可能なほかにも、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ツタヤ、ヤマダ電機などでも取り扱っているので、気になる方は実店舗に展示がないか確かめられるのが良いだろう。(少なくとも秋葉原のヨドバシカメラには実機が触れる状態で展示されているのを確認した。)



なお、ご購入の際には(今回レビューした)Bluetooth/USBハイブリッドモデルか、USBオンリーモデルかよく確認してから購入されると良いだろう。


最後にこの場をお借りしてレビューする機会を与えてくれたAzioに感謝したい。

(abcxyz)

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