斬新で革新的、モジュラー式のARODYビジネスバックパック。提供サンプルレビュー


先日ご紹介したドイツのモジュラーバックパック「ARODY Backpack」。ファウンダーのEngin Yeter氏のご厚意によりサンプルを送っていただいたのでレビューさせていただく。



まとめ


 バックパックとふたつのオーガナイザーを自由に組み合わすことのできるモジュール性
 モジュールを取り外した状態でも中途半端に見えず、その形でデザインされたかのような美しさ
 ビジネス使いに十分な上品なスタイル
 十分な収納容量
 自由度の高い各収納部

 帆布に埃がつきやすい





開封


それぞれ黒い箱に入っている


ARODYのモットーが入った封印のしてある箱に入ってくる。これを開けると出てくるのは専用の袋に包まれたバックパック。こちらは黒地に茶色のレザーアクセントの物。プロジェクトリワードとしては、この色の組み合わせの他、黒地に黒レザーアクセントの物も存在する。

高級感溢れる袋からバックパックを半分出したところ


モジュール式のオーガナイザーもそれぞれ専用の大きさの袋に入っていて高級感がある。この袋自体、外側は帆布だが内側はフリース地という豪華仕立てな上に、レザーの刻印まで入っている。

オーガナイザーもそれぞれ専用サイズの袋に入ってる




バックパック


バックパック、横から見たところ


蝋引き加工された帆布生地にレザーが美しい。薄いシルエットのビジネスバッグは流行の最先端と言って良いだろう。この製品の売りの一つはそのモジュール性だが、このバックパック単体だけでも独立した美しさと機能性を保てていることが革新的だ。

バックパック、もう一方側から


写真ではちょうどタグの下になっている部分にはポケットがある。このポケットは、バックパックにオーガナイザー(小)を取り付けると隠れる位置に来るので、隠しポケットとしても使える。

バックパック、背中側


背中側には薄めのパッディング。ショルダーベルトにもパッディングが施されている。

バックパック、開けたところ


バックパックのメイン収納スペースは、二つのファスナーにより開封するようになっており、ガバッとバッグの高さ方向3分の2まで開けることができる。バックパックにオーガナイザーモジュールを何も付けていない状態では写真手前側の部分を180度手前に折り返すことができる。外にモジュールをつけた状態では、上部を180度下方向に開けることはできないが、モジュールをつけた状態でも十分に中を開き見ることが可能だ。

背中側フリースポケットはRFIDブロック


背中側にはスマホ類を入れるためのポケットが。内側はフリースとなっており収納物を柔らかく包む。また、この部分はRFIDブロック機能付きのポケットともなっている。ポケットのサイズは、GPD Pocketも入る大きさだ。

なお、RFIDブロック機能がついたポケットにスマホを入れると、場合によりスマホが基地局を探してバッテリーを浪費する事もあるので気をつけよう。

その手前にあるのはラップトップコンパートメント。収納可能ラップトップサイズは13インチから15インチとなっている。もちろんパッディングされている。写真ではTimeResistanceの13インチ用カバーGoblet of Fireを入れている(実はその中には入っているのは11.6インチのMacBook Airだが)。

クイックアクセス部分


こちらはクイックアクセスと呼ばれる部分。黒いゴムバンドが用いられており、ケーブルやペンなどを収納出来るほか、すぐに取り出すにも便利だ。このゴムバンドは例えばスカートなどにも使われるゴムバンドと同じ素材のよう。なのですぐにへたらず耐久性があるように見受けられる。しかもこの素材を幅を広くとり利用しているので、しっかりと物が固定される。またこの部分では下部分はバンドが幅広く、そこから少し間を開けて細めにバンドを使用している点は、収納される物の形状に自由度をもたらしており、個人的に高く評価したい部分だ。

メッシュポケット


その横にはメッシュポケット。写真ではHarman KardonのEsquire Miniを入れているこのメッシュポケットとクイックアクセスの背後には、その2カ所をまたがるマガジンコンパートメントと呼ばれる部分が。A4程度の雑誌をすり込ませることができる。A4の書類を折ることなく入れるにも便利だろう。クリアファイルに入れた状態だと、クリアファイルの端がギリギリファスナーにぶつかる感じの大きさ。

クイックアクセスの上部分(写真ではKindle Voyageを入れている)にはファスナー付きポケットがある。ここもRFIDブロック機能付きのポケットとなっている。

また、写真では少々わかりにくいが、バックパックのメイン収納スペース(水筒や青い本が入っている)の手前にMacBookのアダプタが隠れ見える部分にも、ファスナー付きポケットが存在する。これはバックパックのこちら側に折れ曲がっていない残りの3分の1部分にあるポケットで、ケーブルコンパートメントと呼ばれている。この部分にはパソコンのアダプタや、長く太めのケーブルを入れるのに適している。

水筒入れ部分


ボトルホルダーはこの写真で言うと右下のあたりにある。写真では、こちらもKickstarterプロジェクトのAlex Bottleを入れている。ボトルホルダーはバックパック内部でボトルが転げたりしないようにする役割を果たす。

ボトルホルダーを開けたところ


こちらがボトルホルダー部分の写真。ゴムバンドに引っ張りやすい取っ手と、ベルクロがついているもので、ボトルホルダーとして使わない場合は、ゴムバンドについたベルクロ同士をひっつけることでボトルホルダーがバックパック内部に入れたものの邪魔にならないようになる。

ボトルホルダーをしまいこんだところ


バックパックに色々入れてみたところ


・Alex Bottle 水筒
・13インチパソコン用ケース(と11.6インチのMacBook Air)
・MacBook Airのアダプタ
・青い本 25cm x 24.3 cm x 1.2cm
・A4クリアファイルに書類をいろいろ入れたもの(青い本の後ろに見える)
Harman Kardon Esquire Mini スピーカー兼モバイルバッテリー
Kindle Voyage
・iPhone 5
・iPhone用アダプタ
・ケーブル
・ペン

が入ったところ。まあ、特にぎっしり詰めてはいないが、一通り仕事に必要なものを入れたところ。

もちろん、「ビジネスバッグ」ではあるものの、ビジネス以外の用途にも便利だろう。メイン収納部分に入っているものだけ入れ替えただけだが、バドミントン用のセットを入れたところ。

ビジネスだけじゃない


Sennheiser HD598 ヘッドホン(ケーブルはアダプター用コンパートメントに入れている)
・Tronnovate STIKY タオル
Acteon Compression Packing Cubes 衣類を圧縮収納するパッキングキューブにバドミントン用の服と予備の下着やカッターシャツなどを入れたもの
・Wilson Shuttlecock バドミントンシャトル
パイロット コラボ持ち歩きフォルダーS A5 A4書類を緩くたたんでA5サイズに持ち運べる便利なフォルダー

ご覧の通り、これだけ入れてもまだまだ収納スペースはある。



また、バックパック上部には取っ手がついており、背負っていないときの取り回しにも勝手がいい。



オーガナイザー


*追記:ARODYによれば、今回のレビューユニットはオーガナイザーにファスナーが一つずつついているが、製品版にはオーガナイザーにはどちらともファスナーが二つずつつくとのことだ。

オーガナイザーふたつ


さてそれではARODY Backpackの鍵となる要素、モジュール式のオーガナイザーを紹介しよう。左の大きい方は幅29cm、高さ22cmで、タブレットも入るもの。右の小さい方は幅は29cmだが高さは15cmには航空券などを収納出来るチケットポケットがあるものだ。

オーガナイザー(大)の内側


オーガナイザー(大)は、タブレットの入る大きなポケットがついている事が特徴だ。カードを入れるためのポケットと、ペンやケーブルを収納出来るゴムバンド部分、ファスナー付きメッシュポケット、そして文庫本が入るくらいの大きさのポケットもついている。

また、オーガナイザーは全体がRFIDブロックされている。

オーガナイザー(大)に色々入れたところ


残念ながら現在タブレットは持っていないのだが、GPD Pocketならすっぽり入る大きさ。

タブレット飛び出し防止の機構


タブレットが飛び出さないようにベロがついているのもよい。

オーガナイザー(大)のポケットには文庫本も入る


オーガナイザー(小)の中


横幅に渡るメッシュポケットと、航空券などのチケットを折りたたまずに入れることができる。このオーガナイザーは確かに飛行機での旅に便利そうだ。航空券とパスポートをこれ入れて、メッシュポケットには空港で使う歯ブラシとかを入れたりとか、セキュリティーゲートを通るときにここから航空券とパスポートを取り出して、メッシュポケットに腕時計や小銭入れなどを入れて通ったりとか。

オーガナイザー(小)に色々入れたところ


このように、出先でオーガナイザー部分を取り外して、それだけを携帯して活用したり、バックパックは背負ったまますぐに出し入れしたいものをオーガナイザーに入れて使うといった使い方が考えられる。どちらも手で持つのに苦労する大きさではないものの、欲を言えば掴みやすいように、最近流行の手を通す部分(例えばKickstarterプロジェクトのFoldrではフォルダー型バッグ状態でそのような手を通す部分がついていた)とか、取っ手がつけてあったらより便利だったと思う。

オーガナイザーのファスナースライダーにも、ファスナー両端にもレザー素材が


バックパックとオーガナイザー大小には、モジュール結合機構部分を除く全てのファスナーのスライダーにレザーのつまみがついており、掴みやすくなっている。

また、オーガナイザー大小の開け口と、バックパックメイン収納スペースの空け口にはファスナーの両端にもレザーがついており、オシャレなアクセントとなっている。



モジュール


オーガナイザーの取り付け部分


バックパックとオーガナイザーの取り付けをご紹介しよう。オーガナイザーは大小共に両端にこのようなファスナーがついている。

オーガナイザーをこれから取り付ける


バックパック本体には一見するとファスナーが取り付けられそうな箇所はないが…

バックパックのこの部分に受け側のファスナーが隠されている


実はバックパック本体のファスナーは、この部分に隠されているのだ。このシンプルなアイデアが、モジュール式でありながらも、単体での使用時に中途半端さを感じさせない美しさを生み出している。

この様に受け側ファスナーを出すことができる


隠されたファスナーは指先を内部で滑らすことで簡単に出すことができる。仕舞うときも指先でファスナーを内部に向かってツツーと入れ込むことが可能。このように簡単にモジュール結合部分を出し入れ可能だが、隠されている状態ではきちんと収まってくれて、勝手に飛び出したりはしない。

バックパックにオーガナイザー(大)を取り付けたところ


ひとつだけ付けた状態でも十分様になる。まるでこういう形のバックパックとしてデザインされたかのような完成度。

モジュール式の製品で気になるのは、モジュールがしっかりついているかどうか。だがその点このARODYは全く心配ない。バックパックの背にオーガナイザーをひとつだけつけた状態でも、無理矢理オーガナイザーだけを左右上下に引っ張っても外れることもなければ緩むこともない。

ズボンについているファスナーなどの逆で、モジュールの取り付けファスナーは上から下へとファスナースライダーを降ろす形となっている。なのでファスナーの自重で勝手に開くなんて事はあり得ない(かといってズボンのファスナーがそうなるわけでもないが)。

バックパックにオーガナイザーをふたつとも取り付けたところ


オーガナイザーを両方付けても様になる。オーガナイザーとバックパックは左右のファスナーで繋がっているので、オーガナイザーの上下二辺の側からはなにか物を通したりすることもできるだろう。

オーガナイザーは装着させた状態で開けることも可能


オーガナ―はどちらともバックパックに取り付けたままの状態で開けることも可能。バックパックに外部ポケットがあるものを使っている方は、外部ポケットの便利さを理解されていると思う。このオーガナイザーの利点は、そんな外部ポケットが180度開くことで、それがさらに出し入れの面で便利になっているところである。

オーガナイザーを両方付けて背負ったところ


トップ画像ではモジュール(大)のみをつけた状態で撮影しているが、こちらは両方のモジュールをつけて撮影したところ。参考までに、どちらも着用者の身長は174cm。



終わりに



バックパック単体での使いやすさもさることながら、オーガナイザー単体の利便性、そしてそれらを組み合わせての使用における便利さなども個人的に評価したい。また、モジュールをつけていても外していても美しい点は、これまでの「モジュール=洗練されていない見た目」というイメージを覆す面で革新的だ。

ビジネスバッグとして考えた時には、中に何も入れていない状態でも形が保てるということが一つの条件だと思う。この理由でFjällräven/フェールラーベンのバックパックのような柔らかいバッグは内容量により形が大きく崩れてしまい、それがだらしなく見えるためにビジネスバッグとしては不適切な感じがする。その点ARODY Backpackは中が空っぽでも形を保てる他、色合いも黒地に黒レザー、もしくは黒字に茶レザーのビジネススタイルの範疇から離れないアクセントであり適切だろう。堅苦しいビジネスの世界では、モジュラー式などというような奇抜な要素これもまたナード的な雰囲気をもたらすことで使うことが躊躇されるが、ARODY Backpackではモジュールを付けている状態でもそうでなくとも違和感なく完成された形を保てている点で合格だろう。

ここまでARODY Backpackを褒めちぎってきた感じがあるが、最後に唯一の欠点も述べておこう。

微小な埃が付きやすい


唯一このARODY Backpackで残念なのは、蝋引き帆布(waxed canvas)生地に埃が付きやすいということ。掃除の行き届いた家に住まわれている方には問題ないであろうし、この程度の埃の付着は全く気にならない方も多いかもしれない。我が家では猫を飼っていることもあり、猫の毛や埃が多いことを原因とみてもいいだろうが、埃が例えばGollaなどポリエステル製の生地のバックパックと比較して付きやすいのは事実だ。

カワニシカバンのブログ投稿「帆布のカバン白いホコリ(シケ)の取り方。清潔に保つ方法」によれば、このようなパラフィン加工=蝋引きされた帆布には埃が付きやすく、これは「シケ」と呼ばれるそうだ。カワニシカバンの投稿では、このような埃はブラッシングやテープ、粘着ローラーなどで取ることができるという。私は電動リントリムーバー(わかりやすく言えば電動髭剃りみたいなもの)、ブラシ、粘着ローラーで試したが、粘着ローラーが一番効果的に埃を取ることができた。

まあ、家を埃がない状態に保てよ、ということなのだろうが。埃がつかないようにするために、使わないときにはARODYがもともと入っていた高級感あふれる袋に入れておくのも良いかもしれない。そう考えると収納袋があんなにも豪華な理由もつくかな。また方々で耳にするところによれば、静電気防止スプレーを付けておくと埃が付きづらくなるようである。

将来的にこの点が改善されることを望むが、これはユーザーが手間をかけることで解決する問題でもある。この点だけを理由にARODY Backpackをあきらめるのはもったいないほど面白いバックパックだということも述べておこう。




そんなARODY Backpack、プロジェクト終了まであと17日を残し資金は20%集まっている状態。記事を執筆している3月12日現在も未だにスーパーアーリーバードが残っているので、気になる方はぜひKickstarterでARODY Backpackを確認されたし。




最後に、このバックパックをレビューする機会を与えてくれたARODYに感謝したい。




参考: カワニシカバン「帆布のカバン白いホコリ(シケ)の取り方。清潔に保つ方法」

(abcxyz)

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